ドイツはベルリンで活躍する82年産まれのピアニスト。
チャイコフスキーの最後の弟子に教わっていたというキャリアを持つ。
音響が普通のクラシックとは全然違うので、クラシカルなピアノソロとは言えない気がするのだが。
静謐、密やか、そしてチャーミングな旋律を、とてもデリケートなタッチで表現する。
表題は09年のwintermuzikという名盤から。

夜とか、砂漠とか、詫び寂び感溢れる感じ。
GonzalesみたいなPOP感はあまり無いのでカフェよりかバー向き。
個人的には一人で聴きたいアーティストだけど。
どうもこれ、Radioheadのトムがブログか何かで「いいよこれ」とか言ったようで、
地味に最近目立ってきている。
でも、個人的にもニルスの中で一番好きな曲でもある。
最近、左親指を怪我をしたらしく、
残った9本の指で寝る前に少しずつ作った9曲をアルバムに、
という触れ込みでリリースした「Screws」、

これも素晴らしい。
1曲目で涙腺をやられた。
心に染み入るような柔らかく繊細な音響のつくり。
ヒューマンな音楽だと思う。


ちなみに表題曲が入った「wintermuzik」、
元のリリースレーベルは「sonic piece」。
実はここ、リリースするCDはハンドメイドのファブリックジャケットで、
必ず限定生産の再リリース無し、という面白い商売をしている。
これまたオシャレなジャケットで、凄く所有欲が満たされるようなつくりで。
なのでwintermuzikの初版はもはや見つからない。世界に500枚。
見かけてもだいたい、うん万円の値がついている。
毎回sonic pieceのシリーズは売り切れる。
CD不況時代にこれは結構面白い商売だなぁと思った。