芸術家・高木正勝とイギリスのシンガー・aqualangの共作。
芸術家、高木正勝の名前を知ったのは学生時代だった。
エレクトロニカの日本人アーティストに凝り始めた時期で、
丁度ヒットしたのだ。
バンドの友人が「これはやばい」とアルバム「COIEDA」のprimoを聴かせてくれた。
泣いたなんて言うもんだからどんなんかなと思って。
サイン波ベースのシンセの繊細なタッチに、
危険なまでに母性たっぷりの女性のコーラス。
そして終盤の展開で流れ込んでくる輝き溢れるピアノ。
予想以上にドラマティックな曲に衝撃を受けて、即座に借りて聴きまくった。
跳ねるような無垢なピアノの名曲、「girl」も入っているこのCOIEDA、高木作品ではメジャーな方。
そしてそれより2枚くらい前のアルバム「Journal For People」は借りた後に即購入。
「耳を羽で撫でるような声」という表現があるが、
羽でなでるような音楽といえば自分にとってはこれ。
歌ものが無いので結構ミニマルよりとは言われるが…
そして06年にリリースされた「AIR’S NOTE」。
これが美しい旋律アリ歌もアリの素晴らしい楽曲の集まりで、
Journal For Peopleみたいな電子音の綺麗さも、
COIEDAみたいなアナログ・歌ものの美しさも取り入れ、
ミニアルバムとしては凄く良い出来だった。
この最終曲が冒頭の「One By One By One」。
見事な展開で絶句した。
なぜ日本で高木がこんなにも知名度が低いのだろう、と思ってたら
海外では全然有名なよう。
常々感じるが、日本のJPOPはある種、壁になっていると思う。販促過多。
日本には多様な音楽があると思っていない人も結構いると思う。
J-POPが全てクソだと言っているわけではないが、あれが全てのように見せる構造はもう終わりにすべきだ。
まあ終わりになりつつあるとは思うのだが。
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