悲歌のシンフォニー


寒くなると暗い曲を聴きたくなる。
イギリスのとあるラジオで、DJがあるクラシックをかけた。
一曲30分弱に及ぶその長い曲は、ラジオにかけるようなポップなものではなく、
軽快なものでもなんでもなかった。
重苦しいコントラバスからはじまり、徐々に同じモチーフの旋律をそれぞれのパートが奏でる。
旋律が重なり、いったん終わったかと思うと、オペラが入ってくる。
不穏な音律と、オペラのテンションが最高潮に達した後、
また最初と同じモチーフの合奏がはじまり、
今度は一つ、また一つとパートが減っていく。
そして最後、重苦しいコントラバスの旋律で終える。
こんないかつい曲なのに、ラジオ放送後、突如としてこのCDはトップセールスとなる。
確かトムヨークが絶賛してたとかなんとか。
オペラは大嫌いだが、これだけは唯一聴けた。
坂本龍一のヤマモトヨウジのコレクションのために作ったBRIDGEという大曲があったが、
あれに似たミニマリスティックで陰鬱なメロディーがこの季節にばっちりだ。

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2件のコメント

  1. SECRET: 0
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    > 当時ペンデレツキとかジョン・ケージがやってたわけわかんない音楽を
    ケージのおっさんはどっちかといえばドローン派よりメロディ派(ランダマイズによる偶発派)だったらしい。
    だからこの曲に限って言えば、多重演奏のドローン一辺倒がメインなわけだから、
    あのおっさんの面影はない。
    だいいちあのおっさんの曲は全部聴くと神妙な面持ちにならざるをえない。
    ちなみにペンデレツキペンデレツキってみんな言うけど聴いたことない。
    メシアンとかクセナキスみたいにご高名な人は失敗しそうだ。

  2. SECRET: 0
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    あらグレツキじゃないか。
    当時ペンデレツキとかジョン・ケージがやってたわけわかんない音楽を
    エッセンスだけ継承して上手く昇華したのがグレツキだと
    片手間で受けてた音楽史の授業で習って以来たまに聴く。

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