アメカジはあまり好まない。
が、友人からもらった。
サニースポーツと言えば古着好きのアメカジブランドという印象がある。
クレイジーパターンのダンリバー生地のシャツ。
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ダンリバーの有名なオックスフォードではなく、ポリエステルとコットンの混紡で、
デッドストックの端材を集めて日本で縫ったシャツである。
シャリっとした夏向きのシャツ。
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生地が良いかというとそうでもなく、
「今はもう手に入らない」というストーリーがこのシャツの価値。
ブルックスブラザーズが100年以上生地を使っていたダンリバーのオックスフォードは、
2000年に入ってダンリバー社がまもなく倒産したため、デッドストックのみとなる。
もともとブルックスのシャツにのみ使用が許されていたもので、倒産の最後の時期は
インディヴィジュアライズドシャツに使用が許可されていた。
以前、シャツにそこまで詳しくなかった頃に触った感じでは「ガッシリしてるな」という印象しかなかった。
個人的にはギットマンのBDシャツのゴワゴワ感の方が記憶に残っている。
今は、インディヴィジュアライズドシャツがレガッタオックスという似たようなオックスを用いているとのことだが、
それはちょっと日焼け感がある印象があった。
ダンリバーにそれがあったかは思い出せない。
ヨーロッパが歴史を積み重ねてきたのに対し、アメリカには単に空間があるだけだった。
だからこそ彼らは10年刻みに過去を、強い栄光の時代を、カテゴライズし、価値付け、
歴史が光輝を湛えているように振舞う。
その流れの中でアメカジはビンテージに結びつきやすくなったのかもしれない。
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前立てが途中で終わるのはプルオーバーの仕様という印象が強い。
クラシカルな印象だが、途中で前立てを切った上に三角に縫うのだから面倒なはず。
裏前立てを基本とするイタリアのシャツの人気もあり、現代では廃れ気味なのは仕方ないことなのか。
個人的にはオックスフォードじゃなければ、この仕様は結構好きだったりする。
オックスフォードだと前立ての重なりがちょっと重たく感じるし、あざとさを感じてしまう。
もし、リネンシャツを白生地で前立てあり、というオーダーをするならこの仕様にするかもしれない。
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まあこいつはクレイジーパターンのシャツなんて着ないだろう、とお思いだろうが、
実は未だにペンドルトンのウールシャツは良く着ている。
未だによく働いてくれる。
ただ、このサニースポーツみたいにさわやかなヤツは、自分の性格的に難しいだろうなと思いつつ手に持つ。
静かにシャツをたたんでコーヒーを一杯。
新・映像の世紀でも見よう。