先日遠出をした際、料亭にて提供されたお皿に興味深いものがあった。
写真は撮っていない。
元々その料亭は陶芸家の方がやっていたこともあり、カトラリーも非常に面白味があった。
その中でも、歪んだ独特の網目模様のお皿があった。
まさか線を引いたのではないよな・・・と思った。
手で引く線にしてはあまりにも歪みの偏り方が綺麗で、
布生地で型をつけるには溝があまりにも深く、
鉄網でやったらこんな繊細な曲線は出ない。
そして目が細かいのだ。
料亭の方に聞いたら、「それは蚊帳を使ったんです」と。
そんな手があるのか、ということ、そして込められたストーリー感に少し驚いた。
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これはアレッサンドロ・ゲラルディのシャツの生地だ。
こういった整った肌理というのも嫌いではないが、人間の肌みたいに、
有期的な微妙なうねりを持ったきめ細かいテクスチュアには惹かれる。
八刺しとか、オーバーロックの縫い目とか、自分で縫った総手縫い財布の縫い目とか、
でもこれは言ってしまえばハンドクラフト感、か。
微妙なずれがある一定の繰り返しが作るシーケンス。
美術を学んでないのでなんというのかわからないが、
そういった有機的なずれを含む総体、
これについて自分はだいたい美しいと思うことが最近わかってきた。
自分の感覚を言葉にするのがここまで難しいとは思わなかったが、
そこまで面倒な説明をしなければならないくらい自分は面倒くさい人間なんだな、
と思って今後の目前の明るい社会不適合者ルートがいっそうヘッドライトに照らされて明確になっているのがよくわかった。