一体何者なのか。流しのテーラー?
理論派テーラー?昭和服飾蒐集家?
私は何も知らない。
彼は言う、「私は普通のスーツを作っているだけです」。
幡ヶ谷洋服店。
かなり最近のクラシックブームを反映した形になっているが、生地選びが面白い。このペッパー・リーというイギリスのメーカーのヴィンテージ生地は、モヘヤとのミックスである。味があるが、時期は恐らく70~80年代。
このパンツはディティールをクラシコっぽくしたが、生地に少しレトロなエッセンスが加わっているので、不思議な違和感がある。触り心地も倉庫の奥深くで様々な衣類に潰されて硬くなったデッドストックの古着のような、ざらっとした肌ざわり。着込んで柔らかくなったものを見たが、踏み慣れて肌になじんだ畳のような感じだった。
これは出所不明の妙な光沢をもつウール。カノニコの高番手のサンプルなのでは、ロロピアーナのB品なのでは、等様々に推定してみたがわからない。スルっとした肌ざわりで鈍い光沢を持つ灰色だ。
これが今の所一番気に入っている。ツープリーツは恥ずかしいし、尾錠も使わない、ポケットも片方しか使わない、ならばということで全てやめた。
幅広のウエスマン、これだけは腹に安心感(普通に暖かくもある)があるのでそのままに。
これは組成不明の茶生地。恐らくコットンリネンではないかと思われるブラウン。幅広のウエスマンもやめ、同生地のくるみ釦で存在感を薄めた。夏向きらしく裏地もクールマックス、裏地は前半分を膝まで。ネップ感があって比較的コシのある生地なのでノープリーツも考えたが、ワンプリーツにした。
店主は大抵いつも同じどシンプルな服装をされており、「すわノームコアか」と思ったがそうでもないらしい。みんなだいたい黒T、みたいなデザイナールックってやつだろうか。昔外資のセレクトにいたということもあり、様々な会社事情にも通じている。
特に初回採寸から高い精度の型紙で仕上げてきた通り、フィッティングについてはベテランのようだ。他のテーラーでどのような手法を使っているかを熟知し、それらをベースに説明してくれる。日本の有名テーラーのやり方は大抵把握しているのではないだろうか。
ちなみにホームページはこちら。ちなみにスーツ屋なのでスーツがメインです。会員制になっているが、 SNSで探せばどこかにいる。あとは応相談である。どうも初回オーダーの方は「ベンガルに聞いた」と言えば多少お安くしてくれるみたいです。
堀江
ベンガル様
ご返信ありがとうございます。
普段スーツを着る仕事をしていませんで、仕立てのスーツを作るのは初めてです。
しかし大学時代にロンドンに1ヶ月旅した際、サヴィルロウのテーラーをまわったりと、テーラーという仕事に憧れを持っており、いろいろとしらべてまいりました。
ベンガルさんのお仕立てになったワンプリーツ、ベルトレスのパンツに、段返り3つボタンのジャケットといった感じで考えております。
ただ、忙しくいつ訪問できるかわかりません。
bengal
堀江様
こんにちは。
私の紹介でよろしければ紹介いたしますので、問い合わせフォームからふだんどんなメーカーのものを着ており、今回どういったものを作りたいのかをざっくりとお知らせください。その後はメールにてやり取り致します。
堀江翔
突然恐れ入ります。
ブログ拝見しました。
幡ヶ谷洋服店に大変興味をもっております。
2作目のパンツ、ものすごくお綺麗ですね。生地の存在感が半端でないです。
私も幡ヶ谷洋服店で仕立てたくなりました。どうすれば仕立てられるでしょうか?
かわふくろう
ご返信ありがとうございます。
問い合わせから連絡差し上げました。
bengal
こんにちは。
同じく予想のさらに上をいっておりコメントが来ると思わず、気付くのが遅れてしまいました。すみません。
私の紹介でも構いません。よければ問い合わせからメールをいただければ、細かい事をお聞きします。まだお気持ちに変わりが無ければ、お待ちしております。
かわふくろう
こんにちは。また予想の斜め上をいく記事でした。いつにも増して大変興味深く拝読しました。
ホームページを確認したところ、完全紹介制との事でしたが、ベンガルさんにご紹介いただく事など可能なのでしょうか。大変厚かましいお願いであると思いますが、スーツ1着、作ってみたいと思っていたところにこの記事。これも何かの縁かと思い、お願いしました次第です。