18時間を費やして最新の設備をフル活用しプロの手厚い指導のもとようやっと初めて作ったシャツがこちらである。

 

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トマスメイソンのオックスフォードを用いた、ドレス・カジュアルの中間のような一着。

恥ずかしさとか未熟さとかそれらを一切置いといて、バッサリ言ってみよう。

 

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一日目のメインディッシュだった、ポケットの縫い付け。

カギ状になっている右端から、ずーっと縁を2mmで縫って前立そばの左端まで縫い進めていくのだが、最後の最後でツメが甘く戻ってくる所でナナメになってしまうという失態。

前立の縫製線自体が真っ直ぐじゃなくダメージを受けていたのに、直後にこれだったので「ミシンは難しい」ということを身をもって食らった。

 

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シャツは襟が命であるが、汚い。

アイロンで芯を貼る時とか、微妙にズレた襟を二枚縫い合わせる時とか「シャツの襟がロールする方向を意識して生地がしなるようにテンションをかける」という意識で行わないとこうなる。

ここまで反映されるとは。

失敗して若干吊ったような表情になっている。

もはやこれなら襟芯無しとかの方が良かったのではという状態。

 

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ヨタヨタしている。

ざっくりした生地とかアルチザン系なら逆に映えるのかもしれないな、とか思ったけどこれは違うわ、完全に天然で下手なミシンステッチ。

ナチュラル・ミネラル・ヨタヨタ。

 

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今回一番の失敗がこれ。

縫い目が外れてしまい、肩の縁が浮いてしまう(写真ではわからないと思う)。

周りの人は「わかんねえじゃん、気にすんなよ」みたいな感じだったが、触るとヒラヒラするのが落ち着かない。

縫い付けをエイヤでやった適当さの残響が永続する感じというか、シャツが「あなたの仕事をそのままあなたにお見せしているだけです、永遠に。」と冷たく言い放ってきている感じが、つらい。

 

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「まずは10着作ってからにせいや」と巻縫いをやらせてもらえなかった上、初心者向けなので身頃と袖は一気に縫った。

全体の流れを知りたかっただけなのでこの辺はしょうがない。

ラッパ使って巻縫いしてんのかなと思ったけど、熟練の人はそういうの無しで普通に縫うらしく、職人怖いとしか思えなかった。

 

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白蝶貝のボタンを持っていくのを忘れたためにプラスチック製を使った。

縫い付け機械の設定をいじる様を観察しようと企んでいたので、少し残念ではあった。

久々に見る死んだような表情であるが、本当に5秒でボタンは付くし10秒でボタンホールは開くし、juki怖いとしか思えなかった。

 

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カフももちろんヨタヨタ縫製の上、角を出す作業を怠った(二着目を同時進行で縫っていたために時間に追われていた)ため妙な角切り状態に。

でもこのヘタウマな感じにちょっといいな、と思ってしまっている自分がおり、これは「手作業の温かみ」とかいうのを味わってしまっているのかな、複雑な心境だな、と思ったり。

結局は青山のオシャレな骨董品屋に模した某スタイリストの店とかに置いてある大半の商品なんかそれやんけ何がアルチザン系や手作業のあたたかみベースに素材とパターンにヒネリを加えただけのニッチ向け商品で他とは二味違う私を高いカネで演出しているだけやろでもごめんなさい嫌いではないです、とか思ったり。

 

今回、本当に面白さや学びが多く、講座の一日一日が終わる速度がここ最近は無いレベル。

ミシンを踏む動作でモノとモノが明確な形で融合するという体験がまずひとつの手段としてあり、その乗算の行く末と、製図のミリ単位での緻密さ、裏返したり熱したりする工程の着地点が合致した時、初めてあの「シャツ」という複雑な立体が出来るのだなということがよくわかった。

また、個人的には思っていた以上にドレスシャツの工程の複雑さは大きく、カジュアルシャツの1.5倍位には大変だという実感をしたので、道のりは長い・・・と考えたり。

 

実はこのシャツなんだけど、父の日のプレゼントなんだよね。

こんなもんでごめんよ親父。

某イタリアのバッグブランドの人とかもそうだけど、家族への趣味の一作が呼び水になったりするのでブランドbengalshirtsもそうそう夢ではないのかもしれない。

ほぼ全てストライプシャツになりそうだな。