ALUMOの安さに感動したり、シャツコート作ったりリネンシャツ作ったり、スーパーリーバで作ったり・・・南シャツとの付き合いは本当に長い。

南シャツはビスポーク屋を自称する。
「ビスポーク屋はお客さんとの対話で成立する。お客さんが持ってくる要望は必ず店にとって新しい。ハウススタイルは過去であり、ビスポークは未来。自分は未来を目指したい」
そんなようなことを言っているので、じゃあ、という事で私はゴリゴリに要望を出しまくる。でも嫌な顔一つせずに(絶対アトリエの中で手で生地を裁断してる時とかに苦い顔してるだろうな・・・)引き受けてくれる。

そんなこんなで、南さんとの共作の歴史を紹介してみます。

ちなみに勘違いしてる人いますけど、このブログに書いてある南シャツの記事は一回も南さんに確認取ってないし、多分読んでないと思うので、普通に通じると思って話しても伝わらない事をご承知おきを。このタイトルも勝手につけてるんで本人に言ってもハテナでしょうし。

LABO vol.1 丸縫い

縫い目と第一釦をなくしたい、と要望した。「お前はすぐ縫い目をなくそうとするな」と言われ10年。縫製線排除厨。俺は島精機生まれマックイーンパンツ育ち。シームレスな奴はだいたい友達。いせ込みをわき下に入れるという苦肉の策により腕の稼働を確保しているらしい。

どうせだったらヨークもなくして、第一ボタンも前から見えないようにしたいと、話はエキサイトする。本当に迷惑な客だ。作り直してる時に私への怒りでミシン台に裁断鋏を突き立てていてもおかしくない。

ディオールオムのシャツの仕様が普通に会話できたり、「最近はラフっぽくフォトプリントで黒いシャツ作ろっかなと思ってます」と言ったり、割と南さんはモードについての造詣もあるんだなと思い感心しました。

LABO vol.2

このボンファンティの白抜きの生地、するりとして良い。ということでこれはイタリアの風を感じるものにしたくなった。丈はインもアウトもいける仕様。

 

衿型ができるだけパキっと折れる形でなく、柔らかにカーブする形が良かった。というわけで台襟と襟羽根を一体化させ、襟羽根から前立てにかけて裏の生地を一枚で裁断するという、特殊イタリアンカラーに。芯はやわめ。他にも色々やったような気がするんだけど、もはや昔のことだからって忘れてるんですよね・・・。

しかし本当に生地がいい。このするりとした生地を出来る限りすべらかに楽しみたかった。縫い目を無くしたかったからではない。たぶん台襟+襟羽根+前立ての裁断をしている時に私の耳も勢いで裁断したいくらい面倒だと思ったろう。

たくさんあるのでまた次回。