なんだか最近少し露出が増し、 ますます版図を拡大していく南シャツ。初めにオーダーしてから3年近くが経った。 相変わらずお世話になっている。英仏米、イタリアに日本、 モード、メゾン、 アルチザンと一通り色んなシャツを見てきたので、 最近は新しいものをオーダーしてみている。
一見普通のダブルカフスシャツに見えるのだが、
「第一釦が見えない持ち出し型の襟型」「ヨークレス」「サイドシームレスのワンピース身頃」 を指定した。
襟。
ジャケットのラペル下に潜りこむように、 ターンブルカットを参考にしつつも羽根先は曲線。 谷シャツの二段階ラウンドと山神シャツの間位。
台襟は持ち出しが付いている。これは、「 第一釦を留めた時に襟羽根に隠れるように」 というニーズを満たすために話している際に「ああ、 そういや古着のハンティングジャケットにそんなんあったな」 で生まれた。のだけれど、なぜ両方付けることになったのかは思い出せない…。
ネクタイを取ると第一釦が無いので、見たものを混乱させる事ができ る。
ヨークは無い。
南さんに「ヨーク、無しとかあり得ますか?」と話したら「 ああ、ディオールオムみたいな」と言われて気付いたんだけど、 ディオールオムのシャツってヨーク無かったわそういえば。
で、 そうするとアームホール分の立体をどこで解消するかという事になり、背中にダーツが二つ走る事になる。
身頃。
ストライプでサイドシームレス、となると生地巾の問題で「出来るか…? 」となったが、細い人間なので無事に出来た。
ちなみにウエストの絞りは一切ないので、ストーンと落ちる。ダブルカフスと相まってロボティクス。無駄に。
裾はシャルベライクにスリット、折り返しステッチは太幅。
イセの問題とか結構大変だったみたいで、 プロトタイプは腕が上がらないくらいだったとか。 その為に脇下にイセを取るという解消で対応。
当初、この注文をした時に「めんどくさがるだろうな」 と思っていたら、嬉々として相談に乗ってくれたので楽しく注文できた。
南さんはハウススタイルを作らない。
ニッチな市場であるシャツ屋としてハウススタイルを持つと食っていけないという側面もあるが、南さんが未来志向だというものがある。
曰く、自分たちの知識に基づいてやっている限り、 過去でしかない、と。自分たちのスタイルを持ち、顧客にそれを押し付けるという事では次の時代に進む事ができない。顧客が持ってくるものは職人にとっては必ず未来で、 それを受け入れるという事が彼にとって重要なのだと。
南シャツは「ビスポーク」と名がついている。 Be-spoken、それは顧客との話し合いで新しいものを実現することだ。顧客が外から持ってきた何かを実現したい想いに対し、 提供側は知識を以て可能な限り対応し、 一つの新しい提案にしていく、それを以てビスポークと南さんは考えるのだろう。
さて、次のシャツ上がってくるのいつになるのだろうか。
bengal
かわふくろうさま
Instagramにバリバリ出てますね。
人手不足の中頑張っていらっしゃるようですね。山神さんなんかは6か月かかったり、業界全体で相変わらず大変な模様です。
職人不足が大きな問題になりそうで個人的にも心配しています。
かわふくろう
またマニアックな細部のシャツですね笑。南シャツのInstagramで見たような。
南シャツさん、一時期納期が延びて心配してたのですが、今は少し落ち着いているみたいですね。わたしは毎回受け取り時にオーダーしているので、あまり間隔が短いのもお財布的に辛いのですが…。