静かに個性的に自分の人生を追うのです。

カテリーヌ・ミリネア
7ボタン、ボタンカフ

「なんでベンガルなんですか?」

たまに言われる。ベンガルストライプが好きで…とはじめようものなら「ベンガルストライプって何ですか?」「えっロンスト?シャツの?」「なんで?」とだいたいなる。メンテ性が理由の一つだが、単にストライプのシャツが好きなのである。

ストライプは古来より、訳がある人間を区別するためのものとしてあった。今でもトラテープや強い毒を持った生物など、危険性を訴えるものとして社会に備わってもいる。しかしシャツのストライプは別で、幅が視認できないほど細いものも多いため、遠目にはブルーに見えたりするのがほとんど。その、「遠目に見たら単一色だけど、よく見ると違う」という印象を保持するのが好きなのだろう。

生地は少しだけ硬め。イギリスらしい。
襟は相変わらず固めでしっかりした芯が入っている

Turnbull&asserのサイトでは「BLUE FINE BENGAL STRIPE SHIRT」とあったので、ロンドンではこの細かいストライプもベンガルストライプ認定されるんだな…と思った。わざわざベンガルストライプって彼らがネーミングするのは、たぶんだけど、広島の人が「広島焼き」に顔をしかめるのと同じな気がしてる。ロンドンに住んでて「ロンドンストライプ」とか言うの恥ずかしくないか。

前回も書いていたとおり、前立てはイギリス流でなくならない。ただ、ストライプだとわかりにくいのでどうでも良い気もする。

襟型はホリゾンタル寄りのワイドカラー
例の位置が微妙にずれた三つボタン

月曜日、どうしたって出勤は面倒。だからせめて”出勤しなければ説明できない”ような服装にする。イギリスのカタいシャツなんて、もう生地自体がやる気満々なのでシャツ側にやる気を委ねることができる。やる気はやらないと出ない。でもやる気がないとやれない。なので”いつの間にかやってる”ように仕向けるため、こういったシャツが役立つ、のか?本当か?わからない。何もわからない。

前立てがあるシャツの前を開くと、皮肉めいて見えるのは私だけだろうか