2001年宇宙の旅をこれから観るので、衣装を担当したイギリスのデザイナーのシャツを紹介しよう。名前は、ハーディ・エイミス。

45年の創業から、2003年死去する前年までのブランド。

エリザベス2世のドレスを手がけ、ロイヤルワラントを持ち、ナイトの称号ももつ稀有な仕立屋であることで有名であるとされる。現地ではサー・ハーディ・エイミスとして名高い(今はどうかは知らない)。

彼の著作「イギリスの紳士服」は名著なので、それで知っている人も多いのでは。

イギリスのシャツは日本の市場で見かけることは少なく、最近ではDrake’sくらい。あれは確かCleeve of London製だったような。

スーツ同様既製ではなくT&AやBuddのビスポークがメインとなっているからなのか、着心地ではイタリアに叶わないと割り切っているのか、ジャーミンストリートの重役が言う通りシャツそのものを重要視していないのか。

しかしトーマスピンクなどはモエヘネシーグループになっているくらい今風のフィットだし、個人輸入で買ったティアウィットT.M.Lewinなどはとてもコスパが良く(ノーアイロンシャツの耐久力・復元力は本当に強い)、未だに現役である。

 

何か特徴があるかと言うとそんなことはない。が、トゥモローランドで扱っていたこともあり、品質は良い。

根巻はしっかりしてあり、英国らしくスプリットヨーク。ガゼットはつくりが面倒な内側に隠れるタイプ。

 

 

小ぶりでトレンド感ある襟型。1mm際のステッチ。僅かに持ち上がった台襟。

 

袖は後付ではないが、運針は細かく丁寧である。

 

 

細身で小襟、尚且つ要所のステッチが細かく際を攻めているのでモードな印象。バレルカフもシャープな印象を後押しする。細いタイのタイドアップがよく合う。個人的にはパリッとした生地がとても気に入っている。

見た通り、トレンド感あるつくりであるが、サヴィルロウの老舗の名門ハーディ・エイミスが果たしてこれで良いのかはわからない。

もっとも、日本ではウェディングドレスとしてでしかブランドとしての力がないように思われるので、そんなものなのだろうか。

さて、キューブリックを観よう。