前回は色々とあって大分エモい記事を書いてしまったので、そのままエモめなシャツを。
ドメスティックブランド、サカキ。
オーギュストプレゼンテーションで働いた後独立した、榊弘太郎のブランドである。
定番の型が多く、和服下着の襦袢から着想されたジバングや、日本の室内着として楽さを追求した居間着シリーズなどが有名。
アイテムはショールカラーが多く、ゆとりあるリラクシングな着心地。なので着物っぽさ、和服っぽさが見え隠れする。言ってしまえば「和のテイスト」なのだがそう言いづらい理由は後述する。
これは定番のノーカラーシャツである。
首周りの部分。
フロントは6釦で、トップにはボタンがない。
凝ったことは何もしていないように見えるのに独特。
裏返してみた格好。
襟はワンピースカラーのように裏前立てが前首周りに流れるようにつながり、ヨークに飲み込まれていく。
SAKAKIはテーラーリングを駆使したようなかっちりした線と、ゆったりとリラックスした線が3:7位で同居するのが特徴だと思っている。
特に凝った縫製でもなく、普通。イセはある程度入っているが。
ただ素材感に特徴があり、80-20のコットンシルクである。さりっとしてしっとりした感触を前に出し、染めも相まって起毛した時の表情が、日本的な家屋にしっくりくる印象。少し前の日本の服を感じさせる。
なかなかこのカッティングでこの素材、このパターンでこの素材、というようなバランスで「和のテイスト」を持ったブランドが無い。「和のテイストを加えています」と公言するブランドは「和のテイスト」を残念な所に加えることが多い。が、SAKAKIはそんなことがないのでその意味で稀有なブランドである。個人的には「和のテイスト」と言った時点で他の「和のテイスト加えましたブランド」と一緒になってしまうのではないかと思い、「和のテイスト」という表現が妥当ではないのではと思う。
だからといって何といえばいいのかはわからない。
釦は黒蝶だろうか。
生地と一緒に日本家屋の陰りによく似合う。
陰翳礼讃志向なのでこの辺は個人的にも気に入っている。
ただ、居住地域の特性上、外で着るとソースとされた日本極道的なアウトローと見られる気がして、最近着れていない。
エモいイベントが常に起こる地域なので早く引っ越したい。
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