ストック7.KIJIMA TAKAYUKIとmaillotの帽子
帽子。
coeurやtesiやボルサリーノのラビッ トハット、dechoのコメキャップ、manieraのプロムナード、ma tureのハットとかを経て最後に残った二種類の帽子について書く。ワークキャップとニットキャ ップだ。
帽子の名門、KIJIMA TAKAYUKIのワークキャップ。デザイナーの木島隆幸は、皇后陛下をはじめ王室の帽子を請け負っていた日本を代表する帽子デザイナー、平田暁夫の元で働いていたそうだ。このワークキャップはcoeurの時代から使っていたので4世代目だろうか。タックが特徴である。一時期、アーツ&サイエンスとのコラボの厚いコットンのタイプが気に入っていたが、夏場は通気性が最優先されるのでリネンが最適解とな った。オールシーズン被れる。
色々な帽子を被ってきたが、これは楽。ブリムが短 く、くたっとしており、決まり過ぎない。何よりカバンに突っ込んだり丸めておいても気にならない。型崩れをむしろ味方につけるかのようなその佇まいは、デザイナーの「持ち運びを邪魔しない帽子」という配慮がうまく実現されている。マリンキャップやキャスケットも被っていたが、他の帽子は最初は良くてもいつか恥ずかしくなり辛くなる。シワがあまりないからかもしれない。これはサッと被れる気軽さと、シワを素材感とタックのデザインで正当化できる所が良く、ヘビーユースになる。というわけで世代交代を経て、coeurとkiima takayukiの色違いが残っている。
こちらはmaillot(マイヨ)のニットキャップ。これもリネン。ニットブランドやドメスティックブランドを渡り歩 き、stratoオリジナルのmaillot のリネンニットキャップに落ち着いた。
コットンのニットキャップは使い込んだ時の表情が好きではない。 化繊混はなおさらだ。ぐったりとしており、なんだか劣化に見える。ウール やカシミヤのニットキャップは冬場は暖かいのだが春夏に使えない 。直前までピュアカシミヤのニットキャップを使っていたが、 夏場使わないので譲ってしまった。
リネンのニットキャップは夏は涼しく、冬は適度に暖かく、丈夫で 手触りも良く、洗い放題である。しかも頑丈なので使いやすく、ローゲージが好きな自分としては何もいう事はない。というこ とでこれも二色持っている。
個人的にはこのニットキャップ、イイ感じにエイジングもするしユニセックスで色バリも豊富、中々の定番ではと思っている。
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帽子の何が良いかと言うと、整髪料を付けなくて済むことだ。私は整髪料があまり好きではない。朝シャン、という文化があると知った時、整髪料を付けたまま寝る人種がいる事が信 じられなかった。汚れではなく穢れが気になる。
加えて、帽子を被ると安心する気がする。マフラーを巻くとほっと するのとやや似ている。「帽子好きは自意識過剰」とよく言い、 確かに自分も自意識過剰だなと思う一方で、肌を心地よいファブリ ックで覆うのは安らぐものだとも思う。マフラーの安堵は暖かさも あるが、生地の気持ちよさもあると思っている。
ウールホーズを履いて、リネンシャツにフランネルウールのスラッ クスを履き、カシミヤパーカーを羽織って、 ラムアンゴラマフラーを巻いて、リネンの帽子を被る。 心地よい生地に囲まれて多幸感。AWが好きなのはこういう点だ。 一歩引いてみると全身で顔と手しか肌が出ていない。手もだいたい ポケットに突っ込むのでほぼ顔しかない。
こうなるとほぼ人の目に触れるのは服のみである。服を選ぶ意味が あるのか、とおっしゃる人をたまに見かけるが、人目についているほとんどの面積は服である。服選びに は必ずその人の考え方が出る。考え方を人目に晒すことについて無 頓着であって良いものだろうか。
外部からの見た目に配慮し、身体が望む着心地にも配慮し、自分の気分にも配慮する。複数の利害関係のバランスを取ることは、面倒なこともあろうが面白いこともあると思う。
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