フランツ・カフカという人の文章はもう何回も書き写した。かれもまたわたしと同じように、野球に深い興味を持っている。そのことは文章を読めばよくわかる。
高橋源一郎 “優雅で感傷的な日本野球”

ベースボール・キャップ。ベースボールなのか?わからない。野球に縁がない。
休日、整髪料をつけたくないのでその場合は帽子が頻出する。comesandgoesのショートブリムを被っていた頃がしばらくあったのだが、いなせな雰囲気に押し負けて最近被れていない。以前書いた通りキャップはいつしか心が負けてしまう。
ところが、なぜだかわからないけれどこのULTERIOR の6パネルキャップだけはそういう事にならなかった。

これは定番として展開され、シーズンごとに特徴的な生地で出てくる。形に何か特殊なこだわりがあるのかどうかはわからないが、できるだけ普通になるように作ったそう。クラウンは浅くも深くもない(と思う)し、ブリムも長くも短くもない(と思う)。


アジャスターは金具で留めるタイプ。ストラップの先は輪の形の金具へ入れ隠す形になっている。洗濯すると先端がたまに出てくるんだけど、全部外すスタイリングとか、ヤレた先端を出すスタイリングを想定しているのだろうか。縫い付けてるタイプを見かけるが、そうしない意図があるのか。
後ろにロゴが入っているのだが、たいてい同色のステッチのため目立たない。こういう配慮はありがたい。何となく品がある感じで、ULTERIORらしい大人っぽさが感じられる。

ULTERIORは渋めの生地を使ったシンプルなアイテムが多いので、衒いがなく子連れでも妖しい雰囲気が出ない。これは重要な要素で、アルチザン系の服とか着てると遊具とまったくマッチしない。ジャングルジムなんて登ろうものなら、like aドラッグでバキバキ異常中年男性の天日干しである。社会性を保つ必要がある。
さいきんは子供と遊ぶ時、公園だと普通に熱中症とか日焼けが辛い。公園にいるお母さんとかはだいたい帽子をかぶっているイメージ。もう夏のマストアイテムになっているのだろう。今は帽子の中に仕込む保冷剤もあるし。なので機能としてのエクスキューズも申し分ない。

今は子供とノリで「うしろまえちゃん!」とか言ってブリムを後ろにしたりしているが、実際一人だとブリム後ろにしてかぶれないよね。ショートブリムは後ろ被りスタイリングがよくあるけど、ヒゲや眼鏡など情報量が必要な気がしている。帽子は難しいなとか思いながら今日も仕方なく被っている。
ちなみに私は野球にいっさい興味がない。観に行ったことはあるが、試合中ずっとドームの天井にジャンプして届く怪人の妄想をして過ごした。野球には興味がないが、野球になぜ興味が湧かないのかには興味がある。そういう厭な人間なので、こういう日陰者の帽子を被るのだろう。
コメントを残す