+j発表初日、俺はジルサンダーのデザインで、ユニクロの採寸と生地なんだろうとタカをくくっていた。
銀座のユニクロに立ち寄った俺は、驚くことになる。
まさにそのとおりかよ。
と、早々に買う予定だった金額を飲み代に回したのでした。
だって袖が足りなすぎ。
さあ、じゃあいったいどんな違いが?ということで、
価格20000円位のジルサンダーのテイラーメイドライン定番ストレッチシャツと、
価格4000円弱位の+jのストレッチシャツの比較です。
1、顔、シルエット
左の濃いアイスブルーのシャツが本家、右の薄い水色が+jです。

ジルの方が生地のせいもあるがやはりカッチリ気味。
+jは襟芯がへぼいので柔らかいです。
何より生地がそんなに強いものではないので、+jはすぐへたります。
縫製もずいぶん違いますし。ステッチの細かさも。


生地の端からステッチまでの幅は同等くらいですね。
まあmarolとかのヒドゥンステッチじゃあるまいし、クラシコイタリア感は求めてません。
シルエットはこんな感じ。

肩下から裾までの絞り方が綺麗な本家。
UNIQLOはUNIQLOサイジング。袖短っ。
本家の方は裾が浮き上がってるのがわかると思います。
良いシャツは「縫い」で立体化するものだと思っています。
「いせ込み」とか「のばし」はその最たる技術。
様々なデザイナーが「構築的なシルエット」へ反発をしたことがあったけども、
全否定ではありえないはず。あくまで支配的な価値観を問い直すことを目的としただけであって、
結局服に関わる以上、立体的に服を作ることは必要になってくるのだと思う。
2、縫製、裾

縫製は同じくらいです。ただ、+jの方が幅が大きめ。やっぱりジルはガゼットがついてます。
こういう直線にガゼットがあって意味あるの?とかは不問に処す。ディティールのラグジュアリーは常にルーツとデザインのコンフリクトに苛まれているんです。(横文字使えばいいと思ってる
3、ボタン

+jはプラスチックですが、ジルはたぶん貝釦なんじゃないでしょうか?
角度によって輝きが違いますし。(わからない人ですはい
ちなみにここでは+jの方が立体感出てますが、ボタンが見えないようにプレスされてたので、
それをずらしただけです。
4、その他

わかりにくいですね。左の本家はダーツが入ってますが右手UNIQLOはむしろプリーツ。
襟裏は。

これがジルサンダー。
キーパー付。ややワイド開き気味。

これが+j。
隠しボタンダウンなんです。
台襟のステッチはジルの方が綺麗。
総じて、縫製はどちらもしっかりしています。
あと生地感はやはりジルサンダーです。ナイロン綿ですけども。
ただ、値段の差があるかといえば、微妙です。袖が合う方は+jで全然いいと思います。
比べてみて、カッティングの良さを支える生地というものがあるのかもしれないな、と思いました。
また、ユニクロサイズが、ジルのカッティングの理想比率みたいなものに影響して、スポイルしているのかなあと。
それとも単にデザインチームの違いか?うーむ。
なんだかこの記事にいまさら感を感じる自分なのですが、
単にシャツ紹介を兼ねて思いつきでやったという、
とどのつまりのマンネリ感に苛まれています。
ミニマリズムを見習って地道に続けます。