たまにはシャツから離れて音楽の話など。

中学生の頃、ウラBTTBの「Energy Flow」が流行った。
栄養ドリンクだったか?CMで使われており、当時はよく耳にした。
その頃まで自分はピアノ曲なんて興味は無かった。
まあ流行ってるし、というノリでウラBTTBを借りた。
大して感動もしなかった。
気になったのは「何がウラやねん」ということだった。
モザイクなんて音楽業界に無いだろう。
「ウラBTTBってなんでウラなの?」と父に聞き、さも当然のように
「茶道と同じにオモテがあるからだろう」ということで、
「BTTB」なるアルバムの存在を知る。
当時のレンタルショップウェアハウスの第1火曜日100円均一セールで「ドラゴンアッシュ」やら「ミッシェルガンエレファント」やら、青年の心を焦がす音楽たちを借りるついでに、「シケたジャケットだなぁ」とか思いながら「BTTB」をカゴに放り込んだ。
雨の中、銀色のダサいマウンテンバイクで帰ってきて、とりあえずドラゴンアッシュを聴いた。
確かViva la revolution。
ダミ声で東京生まれヒップホップ育ちって言えば笑いが取れる時代だった。
そこからウイスキーでうがいしてんのかと思うくらいのチバボイスに移行するには疲れるので、
カントリーマアムのバニラ味を避けてココア味を探しながら期待していなかった「BTTB」をCDプレイヤーにつっこんだ。
1曲目の「opus」がかかり、家の中の空気が止まった気がした。
スピーカーからの音が細胞の隙間から滲み入ってきたように思えた。
そういった想像力をかきたてる音楽だったのは確かだろう。
今までのピアノ曲はなんだったんだろうと思った。
昔習っていたピアノではこんなシリアスな曲は無かった。
よくわからん「たぬきのうんたら」とかいう曲を発表会で弾かされてやめたのだが、
こんな曲があるならピアノを続けていれば良かった、と思った。
それからピアノ曲が好きになり、様々なアーティストの曲を聴いてきた。
坂本龍一の作品もたくさん聴いてきたが、「opus」は今でもなお個人的には教授の曲トップ5に入る。
本アルバムの名曲「aqua」もトップ5に入るが、個人的には断然「opus」だ。