アットリーニのシャツをセールで買ったので、似た柄の懐かしいものを掘り起こしてきた。
ナポリのイザイアである。
5年位前は20万程度だったスーツが、今や30万前後となり、去年にはミッドタウンの一階に構えるまでのブランドになっている。
最近ではツートップたるキトンとアットリーニに並ぶと評されることもあるらしい。
個人的にはアットリーニ>キトン>イザイアというレベルだと思っている。
あくまでもエンリコ・イザイアもチロ・パオーネも繊維業・生地商だったわけだし。
でも、この中で多くの人が着られるのはイザイアだろう。
甘さも控えめだし、モダンな服への傾倒も強く、インターナショナルなイメージがある。
というわけで、アローズが集中的に扱っていた頃の少し古いイザイアのシャツだ。
柄合わせの丁寧さとかが明らかにわかるのでつくりを見るにはストライプシャツを買う。
ホワイトマウンテニアリングのデザイナー同様、個人的に好きなのもあるが。
イギリスの変態的なストライプは個性をVゾーンに凝縮させたものだが、
イタリアの少し変わったストライプはその上質な生地感もあり洒脱な印象を抱かせる。
肩の柄合わせがとても自然に出来ている。
ちなみにマニカカミーチャは入っていない。
買った当初はふくらみがあった気がするのだが・・・。
袖を裏側から。
袖の縫い目をいせ込んでいるのと、手縫いでの仕上げがわかるだろうか。
ナポリっぽさはしっかりとあるが、いやらしさは少ない。
トレードマークの赤いサンゴはガゼットにも。
これが見えると何か恥ずかしいのは私だけだろうか。
ジャケット、特にセーラーというモデルのフラワーホールに赤サンゴを付けている人をよく見るが、
ラルディーニのブートニエールといい、恥ずかしいものがある。
オロビアンコのリボン問題か。
手縫いのボタンホールで、ボタンもすべて根巻きされ、足もついている。
程よい厚みの白蝶貝。
文句無い出来である。
襟型は結構好きな部類。
台襟はナポリらしく高さがあり、キリっとしたイメージである。
ベルベストと比較されるイザイアだが、私はいつもイザイアの方が構築的でキリっとしたイメージで、マジメな印象を受ける。
大抵の方は「ベルベストの方がマジメでキチっとしてるよ」と言うのだが。
それから、襟だけの話では無いのだが、ステッチのピッチが異様に細かい。
試しにヨーク部分のステッチを数えてみたが、1cmに13針も縫っている。
ボローニャのmarolかよ、と思ったけど、ナポリなのかな?
ファクトリーはどこなのだろう?
関係性からルチアーノロンバルディとかだろうか?
いずれにせよ、良いシャツだ。
イザイアで本当に欲しいのはスーツなんだけど。
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