過去にネクタイについていろいろ書いたけど、結局、「なんで芯が無くてフチを手で巻いてるのがいいの?」については、心底思い当たらない。理由がない。理由がないなら鎌倉の50ozでいいじゃん、と思って触ってみると、ああ、まあこれもいいな、ってなって実際付けてみると良い。

結局はコーディネートで、スフォデラートのネクタイの手で処理したアウトラインが微妙に波打っているのとか、セッテピエゲの折り目が表面に浮き出ているのとか、そういうのがナポリのジャケットのラペルステッチの歪み、つまりステッチの印影以上パッカリング未満のあの躍動感とマッチするから、って話でしかないんだろうね。イヤほんとね、どうでもいいじゃないですか。そんな事にこだわってる自分がキモいんだよ。っていう自縄自縛を繰り返し、断捨離しては買い足す、その諸行無常が経済を回している、という事にお気づきの皆様、こんにちは。

黒に見えるけど濃紺です

練馬にはちょっとした森がある。いちょう並木が綺麗な光が丘公園。その先にLucioleのアトリエはある。一室ですべての作業を終えているあたりはcamioと同じ雰囲気。運営…というか1人で縫っているご本人もまだ若く、縫い仕事に取り憑かれた貴重な職人の一人である。

私はフランスの古着にもアルニスにも詳しくない。フィッシュマウスラペルも好きでないしフレンチテーラリングも特段思い入れはない。が、アルニスのフォレスティエールはもちろん知っているし、アルニスのネクタイにはファクトリー製とアトリエ製があること位は知っている。

重厚感
今でもここまで大仰な仕様でやってるのだろうか

はい。5年くらい前から一部で持て囃されてるスーツ地ネクタイ。いい生地は持っているので、ちょっとこれでお願いできませんかとアトリエで頼んで作ってもらった。たいそうな箱に入って届きます。ギフトにめっちゃいいと思います。

ダークネイビー

アルニスのセッテピエゲまんまの仕様なので、ファンにはたまらない(が、個人的にはアルニスはプリントタイの方が好き)。アルニスのセッテピエゲはこういう黄色の手縫いステッチで剣が止められてて、最初二次流通市場で見たときはすわ補修跡?と思っていた。右岸のセンスではこれが良いのかもしれんけど、リヴゴーシュのパンツ履いてた自分には理解が及んでいない。

なめらか

つくりは非の打ち所がない。剣先も綺麗。手縫いでないとできない美意識も巡らされている。今しがた本家ECサイトを見たけど、まだ2万しない価格でオンラインで売ってて、ヒエーこの工賃どうなってんの、という印象。落ち感があり手仕事を感じられるスフォデラートタイが欲しい人には最適。いやでも気軽に最適とか言っていいのか…?

当然のように手付

まれに日本はこういう人がおり、まだ残っているのは貴重だよなと思いました。若手アルチザンの一人として日本の服を支えてください。