フランス製のシャツである。

シャルベの時にも述べたがフランス生産のシャツはあまりない。このアラン・ゴティエの先代「アルベール・ゴティエ」は、1920年代にエルメスのシャツ製造部門の責任者だった。その後にブルゴーニュで自分のアトリエを開き、継続的にエルメスやランバンのシャツの生産を手掛けていた。いわゆるファクトリーブランドというわけである。


Ateliers Gauthierっていう名前で80年からやってたんだけど、継いだ息子がアランだったからAlain Gauthierに名前を変えた。その後、タグはただのGauthierになったが、呼び名としてはAteliers Gauthierに戻った様子。
フランスはワーク系のブランドは知らないが、ドレス系のシャツはいずれもステッチが端正な気がする。テュイリエもそうだったが、ステッチはあくまでも端を細かく目立たずに、という印象。


丸襟のシャツっていうのはどこから来たのか?ラウンドカラーと言えば、クレリックシャツのイメージが強い。昼の装いで且つパーティーみたいなイメージ。まあアラン・フラッサーがアメリカンブリティッシュで作った流れのイメージがあるからだけど…。
もともとの出自なので、おそらくイギリスでは普通に通用するだろう。また、フランスの既製シャツでもよく目にするので、ブリティッシュとは別の文脈で一定の支持を得ているのだと思う。例によってそれ以外の国では趣味性が高いニッチな層のアイテムとなる。個人的には丸襟シャツと言えばレディスの、コムデギャルソンの丸襟である。ジル・サンダーが来日時に1ダース買うという大定番。私は男性なので着ないが、あのイメージもあり、フェミニンなシャツと捉える人も結構多いのではないだろうか。


ちなみにこのシャツはエディフィスで買った。フランス製品と言えばエディフィス。過去に靴の取り扱いの話をしたときに、店員が「ウチはフレンチ強いんすけど、まだウエストン扱えないんスよね・・・」と落ち込んでたので、フレンチの扱いに長けている自覚があるのだろう。そんならフランスの別のメーカーにゴルフに似せたものとか作らせるなよ、そういうの見るから幻滅するんだろ、と思った。バランス感ではベイクルーズはやはり利益に寄ってるのだろうか。
なんかエディフィスの悪口みたいになってしまったが、尾崎さんや金子さんなど稀有な人材を輩出しているわけだし、もちろん素晴らしいセレクトショップであることには変わりないと思います。某英国靴をこっそりセールにかけてないで頑張ってウエストンを買い付けてください。

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