職人集団。って書くと中国の企業みたい。
道中コートほか数々の変わった服をリリースしている職人集団、kaval。小賀坂さんという方がデザイナーなんだろうか。外装がグレーのやたら洒落た両毛の縫製工場だ。アンティークミシンやカスタムミシン、染色ドラムを備えた、マニアックながら現代的な感性も持ち合わせた集団。らしい。
見てわかる通り、国内より海外の方が取り扱いが多く、評価も海外の方が高いのだろう。TRANOIで展示会も開いていたので、海外販路を第一と考えているのかもしれない。日本の轟音系インストバンドみたいだ。そういう意味で個人的に好感を持っているブランド。
手縫いのTシャツとか、細かいスモッキング刺繍をした巻きスカートとかをリリースし、タグの縫い付けも手縫いだったりするので手仕事を大事にする方針の様子。
素材はコットンカシミヤ。柔らかい。コットンの布帛で”柔らかいシャツ”って言うと、はいはい薄くて繊細な生地ですねはーい、みたいなイメージなんだが、これは後染めで深い緑色になっており、こなれた柔らかさ。
ガーメントダイは個人的な印象だが日本のブランドのものはガシガシになりがちな気がする。kabiのoutilシャツもガッサガサだ。水質や染色堅牢度への意識が欧州と異なるからなのか。massimo albaや、BoglioliのK-JacketやLBM1911など、柔らかさを備えるものは中々無い気がしている。
コットンカシミヤを採用する事で、色の止まりやすさと肌触りを両立したのかもしれない。
ゆるやかなラウンドテールで、カフは短く取り、プリーツではなくギャザーが入っている。服をわかっている人間だという事がよくわかる。古着なり多くの服なりを経験してきた風味が感じ取れる。
釦はきちんと根巻されているし、総手縫いの服だって作ってるくらいなkavalなので、縫製は丁寧。普段からあらゆるメーカーから生産を受注しているだろうし、信頼がおけることが良くわかる。
油断すると総手縫いの服とか手を出しそうなんだけど、kavalは縫い手が好きでやってそうなノリが見えるので自然に買えるだろうな、と思う。いい服。
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