GR10K。よく知らない。ハイテク素材をデッドストックと合わせたりして地味なワークウェアの見た目で前衛的なイタリアのブランド、っていうイメージしかない。Grassi 10000というサステナブランドとして始めたものを2019年にリブランドしたものらしい。サステナ枠じゃ食えへんなぁ…って感じだったのかな、まあわからんでもない舵切り。

この角度からが一番好き

なんでこんなもん買ったんだよ?って言う話。ずばり衝動買いである。

マットな見た目がいい
割と存在感あるフォルム

スニーカーって、いや違うな、靴って服と違って「単体で物として成立する」要素が大きいと思っている。服は「着るもの」である。服を肴に夜にシャルトリューズトニックを飲みながら縫製線の陰影に目を凝らすとか、服を集めて飲み会を開いてデザイナーのクセをネタに語り合うとか、夜な夜な服を解体しながら副資材とかパターンの無駄な知恵をため込むとか、そういった事は一部の好事家が行うフェティッシュな営みである。大抵の人は着るために服を手に入れる。だから着る前提で考えた場合、コーディネートのしやすさが検討要素に入ってくる。

ヌバックってラッパーの靴のイメージを勝手に持ってる
クイックリリース可能なシューレース

ところが靴は立体であるゆえか、私にとって少し性格が異なるように思っている。それ単体で見栄えが良いものになぜか惹かれてしまう。(ふだんあまり買わないからだと思うが)スニーカーは特にそういう免疫が付いておらず、だから真っ白なスニーカーやUBIQのスニーカーを買ってちぐはぐなパンツに合わせて後悔するのである。

邪魔にならない程度のストラップ
コンタグリップとやら、石が挟まりそう

じゃなんで買ったん、というと、この靴の見た目が好き以上に何もない。建造物だったらいいのにな、とか思う。履くイメージを詳細にしてないので合う服が無い。合わせる服を買うつもりにもならない。偶然にもオレンジがポイントになったスイスのExpedのバックパックとマッチしたので、トレイルには使えるなと思ったのだが、都会でこんな靴履いてると目立つ、というかあまりにも「スニーカーが好きな人」に見えてしまう。本意ではない。まあでもそれでいいのだ。

ワイド履き心地で山岳夜行ミッションって感じ
フカフカな履き心地

革靴もそうだが、立体的なものは写真も撮りやすく、見栄えする。だからこそインターネットでは服の要素以上に、「モデルフィギュア」的にとらえている層にも支持層がいると思われる。撮影にあたっては服よりも簡易に全体像が捉えられ、魅力的なわけだ。服は自分が着た姿を撮影するケースが多いと思うが、靴は履いていなくても成立する。それならいいカメラで…という人は多い。服の魅力の発揮点は(個人的には)布が動く様が大きいと思うが、靴はそうでなくても美しい。

トゥのガードは頼もしい

たたずまいだけで人の収集欲を刺激することができる力は、洋服にあまりない力かもしれない。

重い靴は安定性がある。なら疲れるかというと、フィットがちゃんとしていれば疲れることもない。