わては毎朝自分の首をよう洗うようにしております
千利休 “首 / 北野武”
天下平定まで着物の襟はパリッときれいにしときたいもんですわ

韓国の事情は詳しくないが、もともとアジア圏が盛り上がっている中では韓国の職人の活躍も目立つ。B&Tailorに続き、梨泰院のアッシジとか、メイソンスミスでも有名なマエストーソとか。Sartoria Junはその一角で、修行先がパスカリエッロなのでチッチオと兄弟弟子関係にあるらしい。見た感じ、ドレス寄りにキマりすぎないようにバランスを取るのが上手い印象。


この1着はシルキーな見た目だが、ウールが25%で残りはテンセルとナイロン。テンセルだけだと洗いに弱くなるのでナイロンで補った感じだろうか。いかがわしいドレープが、光をひとところに留めない。雰囲気がよい。
休日にドレスシャツはしんどいが、しっかりドレスシャツ面で素材でカジュアルに振っているものを取り入れると面白い。妖しくなる。綺麗に見えて含みがあるというか。うつろうので捉えどころがない。


シルキーサーモンというピンク色が人気らしいが、ちょっとアダルト過ぎるので、私はアイボリーを選んだ。かなりドレープが効いた柔らかい生地(そりゃそうだテンセルが大半だし)なのでストレスはない。これで休日でもリラックスしてシャツを着られるので、シャツ家としていつ殺されても大丈夫。世のうつろいにより、いつ殺されても綺麗に見えるよう首を洗ってる岸部一徳と同じですね。


ちなみに友人はロロピアーナのストームシステムを使ったRainy Coatを買っていた。色は黒だったが、オザケンのダッフルみたいな可愛さがある1着だった。今は昔のカチコチな高級紳士服みたいなものにはない要素が求められていると思うので、そういう絶妙な可愛さやいかがわしさを存分に発揮していってほしい。


これ今更、青の発色が良かった上に今ドレープ効いた青シャツが欲しかったのを思い出したので青買えば良かったかな~~~とか思い始めている。人の気分はいつの世もうつろってしまう。突然殺されるのもしょうがないように思えてきた。ずっと動乱期。

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