俺の、戦争が終わってないんです
ゴジラ-1.0
かばんの旅は終わらない。旅は基本的にトートバッグだったわけだが、ブリーフケースのルートもある。長い事使っていたHERGOPOCHからsaicにて切替えて完成、と思いきや、ブラックの靴と地味なスーツに合わせる役割のバッグがない、と思いこのワイルドスワンズに。国産あるいは日本人が作っているもの、というルールは極力踏襲していたので、選ばれたのがこれだった。
この鞄もあがりではなく、その旅もやめた。「ブリーフケース」というジャンルを見限った。
鞄はやはり金具。金具には極力邪魔しないでほしい。使い心地が良いのは大前提。あとは見た目。これはロゴが入っているものの、そんなに主張しないのでそこはOK。光り方も全体のマットな質感に調和していて問題ない。
機能性は申し分ない。シンプルさに徹した大峽製鞄と違い、サブの収納もある。持ち手のしなやかさも良く、何も言う事がない。
革はドイツのぺリンガー、シュランケンカーフ。型押しのシボとは違う、本格派の縮ませ革。高級レザーの中では丈夫で耐久性があり雨にも強い。この革はとにかく強く、多少の傷などは気になるようなレベルにならない。まさしく永年使う想定をされている革。saicのトリヨンクレマンスもそうだが、本格シュリンクレザーは密度が高いため重い。
ブリーフケースそのものをやめた理由。自意識だ。ciseiやcelleriniなど、革のブリーフケースをずっと探してきたのだが、どうしてもカチっとしたものをシングルブレストスーツに合わせるのが恥ずかしい。以前はそんなことは無かったのに、無理になってしまった。
ジャケパンやダブルブレストのスーツなら問題ないし、ボストンバッグなら問題ない。でも、ダブルブレストは着ないしボストンも持つ機会がない。それに、ブリーフケースそのものが放つ「キメ」が苦手だ。難しい話なのだが、「仕事ができる」感が全面に出るのが恥ずかしいのだ。ぼくは勉強ができない、ではなく、私は仕事ができない。今の仕事の性格もあるが、会社に貢献している自覚はない。それなら相応しい恰好をすべきである。
というわけで、ブリーフケースで答えを見つける事は不可能、結論付けた。特攻さながら鞄を攻めるのではなく、家族を大事に庶民的に生き延びる。今はそういう感じで、その辺のショッパーとナイロンのPCケースを使っている。こういうのでいいんだよ、こういうので。
bengal
>何か買わないといけないさま
はじめまして。業みたいなお名前ですね。
拝見しましたが、形が苦手でして…。ただ革質は素晴らしいのでしょうね。機会があったら触ってみますね。
何か買わないといけない
いつも楽しく拝見しております。
ワイルドスワンズからヨウヘイフクダとのコラボレーショントートが発表されましたね。
フクダ氏のアトリエで実物も触れましたが個人的には今まで見た鞄の中で1番でした。
機会がありましたら是非ご覧になってみてください。