「失敗した買い物様」との向き合い方

友人からやネット上の口コミで「ドルツ　ジェットウォッシャー」が良いという情報をもらったので買った。
しかし結論から言えば大失敗で、別の友人も「あれは去年ワーストバイだったから紹介しなかった」
という話をいまさらながら聞く始末。
そういう失敗した買い物というのは「なぜ失敗したのか」を学ぶ貴重なものになる。
陽の当たるテーブルや床の上に置いて、それを見つめながら「私たちはどうすればいいのか」を話し合う。
コツは、モノに罪はない、という意識で敬意をもって「様」付けで接することだ。
モノ側のせいにすると無意味だし、何も学べない。
掃除のタイミングでふとマリネッラのネクタイを手に取ったら「ねえ、アタシたちって付き合ってるのかな」とか切り出されたりする。
そうすればもう、さあマリネッラ様お話しをいたしましょう私の何がいけなかったのか、
と真摯に向き合うわけである。
MIDIでBGMがかかる場末の喫茶店で冷めた珈琲を飲みながら。
失敗した理由に向き合って原因を突き止めないと、買い戻したり同じ過ちを続けたりすることになる。
「今の気分ではない」のか、「自分にはそもそも合わない・不釣り合い」なのか。
「必要だった」のか、「欲しかった」のか。
「使用シーンを想定できていた」のか、想定とどう違ったのか。
「値ごろ感」が理由になっていないか。
またそれを判断した時の自分のコンディションや時期、時間帯も合わせどういう心理傾向なのかを勘定に入れて考える。

最近珍しく早い段階で明らかに失敗した買い物だったとわかったのはこれ。
「俺、ちょっとクールなアウトドア系男子」なナリだけどもそこはDスク、バチバチのファッション香水っぽい安い香り。
その軽薄さが逆に夏に良いやと思ったものの、1日使ってみたら気持ち悪くなってしまった。
「さあさあヒーウッド様話し合いの場をここはひとつ」
「アタシ別にアンタみたいな暗いメンズ好きなワケじゃないし遊びだったってゆーかアンタだってトシオ(仮名)に紹介されたからみたいなノリだったしなんていうかアタシの減った自尊心返して」
これはこれは、という阿修羅ガールっぷりなので離別が決定した。
もう高校生じゃないんだから「付き合ったのは一週間だけだからあれはノーカン」みたいのはやめたいものだ。
原因はといえば、当日に香水をいろいろ試した挙句、友人の謎のススメがあっての購入だったからだろう。
人に急かされるのはよくない。
意見を聞くのと決断は別の日に行うべしという鉄則を再び実感して、今日も財布のひもを締めあげる。