シャツにおける背ダーツの謎


昔のメンズのシャツにはダーツなんてついてなかったはず。
それが今はふつうについている。
ジャストフィット志向が主流になってきたからだと思うのだが、
メンズ界隈では06年あたりには流行のピークだった気がする。
百貨店で以前オーダーした時に疑問に思った。
「背ダーツはつけますか?つけた方がタイトになりますよ」
「これはオーダーですよね?今、胸囲とウエストを計測しましたが、ダーツは必要なのですか?」
「はい。ダーツでつまんだ方がスリムになります。」
「胸囲とウエストの落差はわかっているわけですから、脇で調整すればいいのではないですか?」
「ダーツでつまんだ方がよりスリムなフィットになります。」
「より・・・?」
裁断の段階で落差の通り裁断すればいいじゃん、と思ったのだが、
たぶん何か問題があって出来ないんだろう。
パタンナーの人ならわかるのだろうか。

これはボレッリ。
フライもボレッリも、手持ちのものはダーツが無く、脇下からゆるやかな弧を描く。
柄物だとダーツが入ったとき目立つが、脇でのラインの詰め方もよくわかる。
ダーツの利点と言えば、
・ほどくことにより身幅が増え、体の変化に対応できる
・通常のフィットの商品を、ダーツの取り方で「スリムフィット・エクストラスリム」として販売できる
(その分新しく身幅の型紙を作る必要が無い)
・運動量の確保ができる
だと思う。
デメリットは
・女々しい、若しくは否定的に思われる場合がある(Style Forumで実際にそういう意見があった)
・地肌に着る人にとって、処理によっては、ごろつく・不快な場合がある
だろう。
まずもって私はほどかないし(着こんだ後ほどいたら跡が絶対残るだろうし)、
スリムフィットの分の型紙つくるの面倒、みたいな工程の話などは消費者にとって関係ない話だろう。
そして、気持ち悪いという見解が少なくともある。
(ただ、ウエストがタイトにフィットするシルエットが気持ち悪いという見方もあると思うので、
一概にダーツのせいとは言えない気もするが)
そして私は運動量の確保についてはあまり信じていない。
ウエストをピッチリタイトに作るわけではないし、そもそもウエストが横に伸縮するような運動ってあるのか?
直線でつまんでるわけだから、「食事でおなかが膨らむ」とかには対応できるものじゃないと思う。
じゃあなんなんだ、ダーツって。
・・・わからない。
やっぱり工場側の都合なのだろうか。


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2 コメント

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    STOCK MAN様
    コメントをいただきありがとうございます。
    そして勉強になる意見をいただき大変興味深いです。
    背骨の可動分の意味もあるのですね。
    ウエスト部分から上にかけて二本、というのが私のイメージだったので、
    あくまでウエストで絞るものという認識でした。
    タックアウト前提のシャツには確かにダーツがあるものが少ない気がします。
    悪目立ちのように見る方もおりますので、やはり気になる方は少なくはないのでしょうね。
    バンドのシャツは、あのトレードマークにもなってるプリーツにばっかり目が行っててダーツの作りは見ておりませんでした。
    今は実家の古箪笥で寝ておりますので、今度見てみようと思います。

  2. STOCK MAN

    SECRET: 0
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    毎度楽しく拝見させて頂いております、
    ダーツに関しては、(平面の布地)を体の立体的な作りに添わせるのが、基本となっておりますので
    背中のダーツに関しては、背中心の生地をつまむわけですから、おじぎをした時に(浮きにくい)
    (腰骨のフレア分量)や(背中にそわせることでスーツのインナーとして着る場合に上下にごろつかないようする)などですね
    トップス向けのシャツにダーツを入れると目立ってしまうので、ダーツが無い場合のパターンのゆとり分はヨークのギャザーorタックや肩と脇線で処理されています。(´・ω・`) ちょっとややこしくなりましたがシャツ好きなアマチュアパタンナー的にはこんな感じです。
    BDアウトサイダーズのシャツのダーツは面白ろい作りになっております

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