シャツNo.111 rip van winkle リップヴァンウィンクル シャツ


目黒川は世間では桜の名所として有名である。
しかし学生の頃の私にとって目黒川のあの通りは、
「玄人向けドメスティックブランド集積地」だった。
そしてrip van winkleも川沿いに店を構えていた1店舗である。
おっかなびっくり行ったのを憶えている。
細くて長く、長髪。
ヒゲが似合って痩せマッチョ。
そのどちらかのタイプの人しかいなかった。
酒袋の素材を使った定番のパンツが欲しかった私は、
「ボタンフライのパンツは全否定する」ポリシーを押し殺し、
大枚をはたいてそのゴワゴワなパンツを購入した。
(のちにこのルールはgreen、マルジェラ、SOMETとなだれ式に崩される)
結局そのゴワゴワなパンツは3回くらいで着なくなった。
ワイルドさ?が無い自分には似合わなかったのである。
「欲しい服」と「似合う服」が違う、と思わされたいちばん最初の事故だった。
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じゃあなんで当時買ったの?となる。
サイズがぴったりなのだ。
細いつくりになっており、恐らく通常は筋肉質な男がタイトに着るのが主だろう。
しかし自分の場合ジャストサイズ(ある程度余裕がある意味で)で着られる。
そういうわけで、ラフな格好で許される学生時代は大変お世話になった。
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かなり目の詰まった重いリネンでできており、
着こむと身体の動きに沿ってなじむ。
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あっ、この仕様は・・・。
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そう、キャロルクリスチャンポエルとかドリスよろしく、2枚接ぎで立体的な作り。
背中も2枚接ぎ。
スプリットヨークでは無かったよ。
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でも着なくなった大きい理由はこの木のボタンだったり。
ジャケットのナットボタンは、薄めであれば使い込むうちに色が濃くなっていく、
というエイジングがあるが、なぜこのシャツはこの色にしてこの形なのかと。
この形なのかと。
往々にして細かい所で妥協して買った物の方が、後悔が強い。
いや、違うな。
反省はしているが後悔はしていない。
なぜなら、シャツだから。


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1 コメント

  1. SECRET: 0
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    Thx for the Great story !
    I know rip van winkle from 岩井俊二’s movie " リップヴァンウィンクルのは花嫁"

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