“宝物も毛布もいらない
素敵な靴もねえいらないよ
特別なのは君の口づけ”―――AJICO 「毛布もいらない」
いや毛布は要るだろクソ大事だろという話。
歴史上では「えーそんなに?俺二時間しか寝てないわー」系の偉人はたくさんいる。
一方で必ず睡眠を6時間確保することが成功のヒケツ、と述べるCEOやらもたくさんいる。
共通して言えることは、人は何時間であっても寝ることは寝る、ということ。
寝具は私服と違って、365日使用し、ファッション性も少なく長く使える。
時間単位のコストパフォーマンスは高くなる。
ソニアパークだって「3大欲求のうち2つはベッドの上・・・」とか微妙に名言っぽいフォントで全然名言じゃないことを書いてた。
衣食住のうち寝具にお金をかけるのは重要だといえる。
数年前に祖母が死の床で使っていたのは水色のタオルケットだった。
押入れに眠ってた、NASAだかなんだかのカガクノチカラが詰まったものだ。
その妙に明るい水色のタオルケットは不躾で遠慮がないように思えた。
彼女が眠りにつくたび、死に近づいていくたびに、彼女の周囲のよく馴染んだ日用品は重く翳りを湛えていったのに、
水色のタオルケットだけは、風に舞い上がるビニールシートのように軽薄で弱々しかった。
彼女が大往生を遂げた時も、やはりそのタオルケットだけが他人行儀で、作業服を着て葬列に並ぶ人のように異質だった。
そういうわけで、毎日の眠りを通していつかは行くべき死地を覗く身としては、
せめて見学のための正装も整えておくべきだろうと考え、毛布を探し始めた。
当時はまだキャロルクリスチャンポエル脳(注:すぐにアルチザンに行こうとする重篤な現代病)だったので、
アニオナやらグランサクソンやら海外のメーカーのものを中心に見ていた。
しかし、イタリアやイギリスのカシミア毛布を見るうち「値段の割に肌触り全然よくないな」と思い始め、
「そういえば実家の幼少期から使っている最高に肌に馴染むタオルケットはどこのなんだ?」と
確認したら「HANAE MORI」、えっライセンスだよねと思ってタグを見たらやっぱり「西川産業」。
西川産業。
お前か。
西川産業のIMPERIAL PLAZA。
ホワイトカシミア100%。
結局、10人位の福沢諭吉が奉公に出されたが、後悔はしなかった。
もう5年になり、少し風合いは落ちたが、毛の抜けもなく未だにその柔肌は健在である。
ちなみに次はインペリアルプラザのシーアイランドコットンのガーゼケットか、
TOUCHの海島綿又はそれに類するクラスのタオルケットを狙っている。
でも何かしっくりきていない。
何だろう。
獣の毛が持つ、翳りというか、命のやり取りに近い所にある淫らさ、みたいなものが感じられないからだろうか。
睡眠は死の従兄弟。
bengal
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> 素晴らしい毛布ですね。
> 私の場合、スーツやシャツにお金かけるより、毎日使う寝具にお金をかける方が絶対良いとわかっていても、それができません。
どの時間を大切にするか、ですね。
シャツとスーツを着て寝るか、その分働くというのもいいと思いますよ。笑
bro
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素晴らしい毛布ですね。
私の場合、スーツやシャツにお金かけるより、毎日使う寝具にお金をかける方が絶対良いとわかっていても、それができません。
我が家の寝具は全てニトリです・・・