クローゼットの中に10年位住んでいる住人


2017年頃、シェアリングエコノミー全盛が来る、と言われていた。当時は大手百貨店もC2Cないしシェアリングエコノミーに参入する計画を立てており、服も持たない時代になるのか、とそわそわしていた。既に当時、メルカリで買う⇒SNSにアップする⇒メルカリで売る、というフローの中で、最もコスパのいいものというのは「いいねが多数もらえて、仕入れ⇒販売間のマイナスが少ないかプラスになる」服であり、これからのマーケットで重要視されるその要素をどのように作るか、というテーマがあった。当然それはロゴドンに始まる視認性が高いものへの需要を一定もたらした。

売買利益が高いもの、すなわちリセールバリューというものが重視されるようになり、しばらく経った。既に手元を離れた服の写真がWEBでいいねを稼ぎ続ける昨今、ベストバイ記事というのは「これは本当に良かったんだよ」という指標になっているのかもしれない。でもそんなものは実際、明確な”好きだ”という言葉のごとく、歳を取るスピードが速い。伝えられなかった想い、つまりデッドストックの”好きだ”は十数年を耐えると言ったのは誰だったか。本当に長年耐えうるものは、明確でなく、表に見えず、無意識に抱えているものだろう。え?ドリル?穴開けたいんだろって??ああ、ドリル欲しかったような気がするな…。

さて、ある程度使用してから印象を整理する、というのが私の服に向き合うスタンスなので、買ってからしばらく使用したものでないと、静かに向き合う事が出来ない。

購入時の興奮は横に置きたいし、実際に使用しないとわからない事が多い。だからまたいつか書くという事でそれは置いておいて、ずっと使ってるのって何?となるのだけど、それがストックシリーズになるんだよね。

・・・。

話が終わってしまった。

おしまいじゃだめ?どういうこと?それじゃあ納得できねえよって?(毎年毎年ベストバイ書かないですとか言うと「はよベストバイ書けや」「失望した」とDM飛ばしてくる怖い人が一定数いる)

はいでは10年前後着ていて、売ってもいないし、後悔してもいないし、

まだまだ全然使えていて、最も効果があったと思える選手をご紹介。

1. 西川のカシミヤ毛布

西川のカシミヤ毛布いきなりクローゼットじゃないじゃん。

何回も言ってるのでそれが全てなんだけど、コスパという意味では破壊的だし、人におすすめを聞かれたらこればかり答えてきた。

結局、服って少なからず「見栄えをよくするためのもの」という要素があって、「自分が快適に過ごす」という要素にフォーカスすると寝具になっちまうんだな。まあ買って絶対に損はしない。

あと、ソニアの本を読んで「フレッテがいいっすねー」とか思って海外ブランドの方が良いのではと思う人にも言っておく、某カシミヤに強いA社のカシミヤブランケットとか、某イタリアC社のシルクカシミヤブランケットとかを使った上で、「西川でいいのか」という質問への自分なりの回答としては、「西川が良い」だ。理由は「毛布とかスローケットとかは素材勝負なので、スケールメリットを最大限発現している大手が良い」+「百貨店のクレームに慣れてるOEM百戦錬磨のファクトリーだし、老舗だから寝具としての品質において申し分ない」でご回答。

よく考えると私の部屋着、素肌にフィッソーレのハイゲージカシミヤニットを着て、パーカー着て、この毛布で、クッションもカシミヤカバーだし狭い家にしてはラグ過ぎるだろなんなんだよ。

2. Plato della valleのウールカシミヤチェスター

「3万円のコートを数年で買い替えるより、10万のコートを10年使った方が良い」という話をしていたのは落合氏だったか?その通りになったコートで、10万を越えるコートで10年以上着ている。しかもセールで買った。セール品で唯一クローゼットに残っている服。

生地もカシミヤ混でしっかりしており暖かい。洗濯機であらっても型崩れも少なく無問題。何も文句がない。ベルベストのOEMとかを手掛けていたしっかりしたメーカーなんだけど、今はもう展開をやめているらしい。

最近は膝下丈が流行ってるわけなんだけど、これは膝上丈。中庸で何も感じない。長い着丈のビスポークコートもあるんだけど、重くて肩がこるし、安易にしゃがめない(子育て世代にとって致命的)。使いやすいのはこのくらいなのかも。

3. Minami Shirt by Alumo

「パリッとした白シャツ」って海外だと”crisp shirt”って言うんだけど、まさにそれ。南シャツはだいたい良い生地全部値上がりしてるけど、この生地だけはスタートプライスを守っているという、南さんの「ドレスの白シャツは良い物着た方がいいよ」という信念を託された生地。確かにひと撫でするだけで上質なシャツ生地だとわかる、良いホワイトドレスシャツ生地のど真ん中。襟と袖を交換してもらって、まだまだ生き延びている。

4. smoothday soft breeze

smoothdayが終了してからしばらく経つが、やっぱり良い。春夏はこれが最高。メリノTやら究極のTシャツやら和紙Tやら、色々着たけどもダントツで気持ちいい。コズモラマひとつとってもこの強撚加工はいったいなんだったんだろう。デザイナー曰く「正価だとメーター3万くらいしてしまって・・・」とか言ってた気がするけど、もう出てくることはないのだろうか。

5. Marc Jacobs manrico Foodie

おや、色が…?まさか増えてる…?

50万円ってだけはあるよねー。

番外. LUIGI BORRELLIのシャツ

同じものをずっと着ているわけではないし、オーダーで修理するにもオーバーコストで大変なので、定期的に買い替えているのがボレッリ。

同じアイテムではないので番外とした。

シャツにハマるきっかけとなったシャツ、という特別な存在であるのも影響しているのだが、それにしたってストレスフリーな着心地と、ボタンホールをはじめとした美しい手縫い、完成された襟型と良く出来ている。”エレガント”っていう表現をイタリア人とかは良く使うけど、個人的に”エレガント”は「中央から放射状に末端に向かう流れは曲線的でリラックスしており、末端細部はシャープ且つ堅牢に出来ている」というイメージであり、そのシャツはボレッリが最も言葉に適うと思っている。何を言っているかわからないと思うが、リラックスと緊張の配置バランスが上手ってことで。まあいいシャツって事よ。

これ以上はまたゴルフについて書いてもしょうがないし、もういいでしょう。おしまい。今年もありがとうございました。よいお年をお迎えください。


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4 Comments

  1. たか様
    洗い方×素材×着方次第なので、その辺りは慎重にやってみてください。
    とは言いつつも、失敗しないとわからないのもこの分野の常なのですが。

  2. 普通に洗濯なさってるようですね。
    私も勇気を出して洗濯してみようと思います。
    ありがとうございました。

  3. たか様
    こんばんは。ありがとうございます。洗濯機はあまりこだわりはないと思います。日立のビートウォッシュを使っており、不満がややあるのですが昨年買ったばかりなので我慢して使っています。

  4. いつも楽しく拝読させて頂いてます。
    なんでも洗濯をなさっているようですが、使用している洗濯機などにもこだわりはあるのでしょうか?
    私もコートなんかを洗濯したい考えており、ぜひとも参考にさせて頂きたく。

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