マークジェイコブスの50万円のカシミヤシルクパーカー

最高額?マーク ジェイコブスのスウェットが上下で100万円に
見かけてからというもの、気になってはいた。
ただ、スウェットに50万円だなんて、頭がおかしいと思うだろう。
私もそう思った。
触るまでは。
2012年以降、同年代から下の若い人々は、私の周りだけなのか気のせいか、続々と結婚していった。
ある日、とりわけ結婚した人が多かったコミュニティにいた同期にその話を聞いたところ、
3.11をきっかけにする人が多かった。
あの日を境に、いつ誰がいなくなるかがわからないということが体感できたために、私たちは生き急ぐのだ、と。
結婚というライフイベントも、伸ばす理由は見当たらないのだ、と。
日本の高級品市場は3.11の際にやや落ち込んだが、中には某スペイン革小物など突然内需が爆発したものもある。
それは、生き急ぐためにモノを買う人々が中にはいたことを示している。
さらにその消費で何も満たされなかったのだということに気付いた人々は
貯蓄も消費も大きな変化の前には無力であり、不安を解消するには至らないことを改めて実感し、
安定を供給するように見えた資本が実は自ら肥え太るためのものだったという自家撞着を垣間見、
そしてまた人々は復讐として新たな消費に走るのである。
つまり災厄が私にパーカーを買わしめたのである。
以上すべてはウソイツワリであって実際買う時は「うっわこのファブリックやっべー!」とかいうノリで買った。
その時期ショックなことがありすぎてこれ買わなかったらビキューナのストールを買っていたと思う。
そもそも私が貯蓄も資本も嫌いなのは2009年以降一貫して変わってないので今回もただの祝祭である。
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この「Manrico」というシルク/カシミヤ/ポリウレタンの生地だが、
目のつまり方、ずしりとくる重量感、クリーミーな触り心地、光沢、どれをとっても一級品である。
服を吊るすと形が残る位にはしっかりしすぎた生地。
ダブルフェイスのカシミヤは極上の肌触りで、風と寒さの苦しさは取り除かれ、ラグランスリーブは快楽を、深いフードは多幸感をもたらす。
マーク自身もやたら着ている。
一見すると普通のパーカなので、まさか誰もヘンリープールのスリーピースより高いパーカーだとは思わない。
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zipはオリジナルだが、恐らくYKKのエクセラではないだろうか。
ちょっとコツがいる場合もあるが、壊れやすいよりはいい。
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この生地のヌメり、鈍い光沢感がわかるだろうか。
纏うのは本当に愉楽佚楽御満悦である。
実際毛羽立ちすごいんだけど・・・。
東京で一番オシャレなアイツはオーセンティックでモテる煌きを放つグレーを持っている。
日陰者の私は地味なネイビーというわけだ。
50万円の資本は等しいし、災厄の前の無力さも等しい。
百貨店の対応は異なるけどな。
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6件のコメント

  1. そうですね。そういうビンテージものは値付がし放題ですね。

  2. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > 私はループウィラーのスウェットパーカー一着でさえも、購入を躊躇っているというのに、一着50万円のスウェットパーカーを購入されたと聞いて、ただただ驚愕しております。
    ありがとうございます。
    欲求と違う次元で購入すると考えれば経済的な縛りもなく気楽ですよ。

  3. @timeless_elegance

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    こんばんは。
    ブログを拝見致しました。
    私はループウィラーのスウェットパーカー一着でさえも、購入を躊躇っているというのに、一着50万円のスウェットパーカーを購入されたと聞いて、ただただ驚愕しております。

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