以前書いたのはショルダータイプのciseiだったがこちらについても結局使ってるので書く。

鞄は持てば持つほど不格好になる。これは「女性の鞄をいつでも持てるように」とか「男性本能の闘争心、自由心のため」とかいう謎の本能に基づいた理論でもない。単にカッコ悪いと思ってしまう。

鞄がそもそも合わない、という話はまた来週の話としよう。仕事なりなんなりで、結局荷物を運ばざるを得ないし、子連れは荷物がかさばる。いわゆるパパバッグ扱いはしてないが、ヘビーユースしているのがこの鞄になる。

鞄、というより袋といった方が近いくらい、レザーなのに柔らかくて軽い。

ciseiと言えばリンドスレザーの頑強なトートだが、これはミニフォーカスという、細かな型押しをしたカーフレザー。型で言うと1147とか1148とからしい。tomorrowlandで初めて出会ったのだが、当然リンドスの方が売れており、こちらはセリーヌの当時の名作”Cabas”に似た細い持ち手で頼りないつくりからか、女性が買うケースもあったようだ。tomorrowland別注のツートンカラーのものがあり、それを見てもセリーヌとの差別化を意識してるのかなぁと思った。

クロム鞣しらしい

沈んだ光沢があり、落ち着いた質感。美しい。型押しのため傷が目立たず、そもそも付きづらい。薄い表側とスエードの内側を貼り合わせてあるので、柔らかく軽く、折り目や皺も付かない。

このボタンはムカつくので全然使わない

かなり粗く使っているのでコバが荒れてきている。一方で頼りない持ち手の割に損耗が見られない。当初、すぐにダメになるんだろうなと思っていたが全然衰えなかったので驚いた。

なお型崩れはしていない。というか、崩れているかわからないレベルで袋。薄く軽く、しなやかで身体に沿うので、満員電車内ではスペースを取らない。重さも500gも無い。

またネイビーって黒でも茶でもないので、別に神経質に靴やベルトと合わせる必要もない。黒靴だったらキメすぎない程度に合う、みたいに思えるし、茶靴だったらそもそも鞄は別、みたいな扱いとして処理する。

軽くて取り回しやすいバッグは結局ヘビーユースしてしまうのだが、この素材は擦れに強いのか四隅の色が抜けることも少ない。良く出来ていると思う。

横のマチ部分は内側に倒しても外側に倒しても成立する。シンプルな機構だが容量も見た目も大きく変わる

当然ながら薄いレザーなので価格もciseiにしては安い。でもメイン商材ではないので、ちょっとレディース感があるからなのか売れない。だからこそciseiの国内オンラインショップでも取扱が無いのかもしれない。事実tomorrowlandの別注品もセールに結構残ってたし。

当時は腰掛のつもりで買ったのでテンションが上がらなかったのだが、手入れして長く使っているし、次も同じものを買うだろう。だから結局上がりなのでは?と思ったこともある。だがそれは違う。