世界最古のシャツ店。
それでいてシャツの王であるブランド。
フランスのCHARVET(シャルベ)である。
右岸のエルメスと対をなす地味な巨神、左岸のアルニスのシャツなんかを作っていたりする。
よくメンズEXでシャツ特集があると、フランスシャツ最高峰として出てくる。
かの落合正勝も敬愛した、由緒正しいブランド。
とりわけよく言われるのは「繊細な柄合わせ」とか「オーダーメイドで培った絶妙なフィッティング」とかだが、
何せ高い。
三越の既製品をチラ見したら50,000円だった。パターンオーダーでも40,000円はくだらない。
古着屋で見つけたこのシャルベも、結局サイズが合わず親父が着ている。
いつかは着たいものだが、シャルベに金を出すならむしろ、リスト・ルージュとか、イタリアのアンナ・マトッツォとかに惹かれる。
若いから冒険したいっていうのもあるのだ。
恐らく、歳を重ねて買えるようになった頃にはやっぱりシャルベを選ぶのだろう。
ダブルカフス・クレリックでラベンダーカラー。
生地の発色・質はとても良い。というか素晴らしく良い。
ボタンは普通だが、まあ厚いものを使って悪目立ちするよりいい。
ヨークの処理は曲線がとても美しい。
MEN’s EXだとよく「剣ボロの柄合わせがうまい」とか言われるが、
そんなディティールはこのクラスのシャツだと最近当たり前になっている気が・・・。
ガゼットはまじめなペンタゴン型。
縦に長細いのは、ラウンドカットの角度に合わせ、
かかる強度を分散するための形状だろう。うーん。まじめ。
縫製もピッチは細かめだけど驚くほどでもない。
オーソドックスな形のベーシックカラー。この真面目なディティールに、とても良い生地の発色が乗ってくるのだから上質な雰囲気が出来上がるのだと思う。
妖艶な美しさはイタリアのシャツに劣るが、それを補う気品を備えている。
本当、かっちりしてシンプルで、貴族のいい趣味的。フランスらしいなぁと思うブランドである。
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