2014年に買ってはや4年目。依然活躍中。
 
 
履き始めて半年の頃、良いのだがなぜ良いのかわからない、と判断保留にしたものがいくつかあった。
瞰時と横から見たシルエットのギャップ。返りが付かないくらい硬いのに歩きやすい・走りやすいソール。重いのに重く感じず、頑強な鎧のようでいて吸い付いてくる足型。また今気になってきている。
 
 
週に2~3日位のペースで登場するゴルフ、ソールはだいぶ減ってきたがまだメンテや修理に出したことがない。「どこまでワーク靴っぽく扱えるのか」と荒く扱ってもう4年である。4年も自分で適当にメンテするだけで使えるってコスパ良いのでは、と思う。
 
 
 
さて俯瞰と横面のシルエットのギャップ。もう見慣れた上からの景色だ。
ゴルフは上から見た時、その上質な革と真面目な見た目で静かな印象なのだが、横や後ろから見ると頑強なソールが目立ち、堅牢製が目に留まる。人から見られる際はアッパーの占める面積が多い為これをノーブルに仕上げ、歩く・走る機能を主に支えるソール面を頑強に、更にアッパーにオイルを多めにし悪天候にも対応できるようにしておく。これで「目上の人や要人に会っても失礼にならない見た目」と「耐久性と悪天候対応の履きやすい靴」という機能を手に入れ、ジャーナリストシューズの座を獲得したのだろう。この考えはたまに自分の靴選びに活かされるようになった。
 
 
さてソールや足型についての疑問だ。
ゴルフは本当に歩きやすい。少し前に内反小趾にかかり、ウエストンの靴の大半に苦痛を伴うようになった。ローファー、チェルシー、オックスフォードのストレートチップ。中には脱いだ後もしばらく痛みが続くものも。まったく、ウエストンのラストのこの「踵に合わせると日本人の大半の足に合わなくなる」問題はなぜ取り沙汰されないのだろう。そんな状況下、ゴルフだけは痛くならずに足元を支え続けてくれた(単にフィッティングの問題なのかもしれないが)。
 
ゴルフの履きやすさは結論から言うと、頑強なアッパーと硬いミッドソール・リッジウェイソールが一体化している所、さらに外羽根と連動するクッション性のある石目柄の丸紐、そして副資材、この三つの要素にあると感じた。アッパーやらソールは随所で語られているので省略しよう。外羽根が甲回りに動きの余裕が出るのはお分かりいただけると思うし、石目柄の丸紐はスニーカーなどスポーティーな靴で伸縮性があるのは自明。
 
ライニングはあまり触れられない気がするが、もっちりした良いものをちゃんと使っているのだなとたまに思う。滑らかであり気持ちが良い。これをはじめとして、噂に聞く「ギッチリ詰まった中材」など、副資材の調達に妥協がないのだろう。スーツもそうだが副資材に良いものを使っていると経年劣化に強くなる。他の靴と比べ、ウエストンの靴底が沈んだり馴染むまでに長い時間がかかるのはそのせいでもある。
 
 
 
色々と要素をあげてきたが、それらの要素をそろえても太刀打ちできない良さを忘れてはならない。これは重衣料と同じ理論。
そう、ファブリックである。革。素材が群を抜けて良い。きめ細かな肌目。
何かの媒体で「適当にケアしてもキズが消える」という情報を目にし「んなワケあるかよ」とか思っていたのだが、本当に適当にケアするだけで傷が沈み込んでいく(伸びていく?)のだ。
 
なぜだ。
やっぱり疑問だけが残る。履きたくなる。そんな靴である。