鬼才ダルクオーレが推すシャツ。

丸の内でダルクオーレに会ったんですけど。煙草を吸いながらリラックスしてる所申し訳なかったんですが、「シャツってどこの着てるの?」と聞いたら一言「Avino.」と。

ビームスハウスに昔から並んでて一時期いなくなったりもした。世田谷線の方のナポリのお店でずっと売ってる奴。松尾さんのお気に入りのね。

 

このシャツは襟先が長めで、身頃にしっかりと乗るイメージがある。なので大ぶりのラペルに合う印象。

それでいて手縫い箇所は程々にあり、どれもとても綺麗。

 

やり過ぎない袖のイセ込み、目立たない星縫い、袖付け手縫いも程よく細かめで、好みである。

 

ガゼット、根巻、鳥足、ボタンホール、前立て。正直言って個人的にはもう食傷過ぎて「はいはいハンドハンド」と思うんだけど、今の手縫い要素が入ったシャツの中では一番日本人好みのまっとうな仕上がりなのでは。

あ、一つとりわけ良いなと思ったのは厚すぎない釦。

個人的にはこのゆるーくいせ込まれた細かい運針のヨークが好感を持てた所。

全体的に考えると、ナポリナポリし過ぎたシャツでもなしに、品が良くて適度に手縫いが入り、襟型も綺麗、生地も良質。ムスカリエッロの上位互換、みたいな印象だと思った。

 

ふう。

いいシャツだ。

ああ。

自分でも書いてて思うんだけど飽きてる。

ぜんぜん悪くないシャツ。まったく悪くないんだけど、もう自分がナポリのシャツに飽きてるんだろう。

オーダーもやって落合正勝のようにFRAYに戻れるわけでもなく、ターンブル&アッサーみたいなシャツが良いかと思うとそうでもないし、じゃあどういうテイストのシャツならいいのか、というとこれといってあるわけでもない。

こういう時は初心に帰る必要がある。というわけで次回はシャツの始祖を。