サンリミットのシャツの定番、SHシリーズは現在6型。そのうちの一つがSH04、ホリゾンタルカラー。

SH04、シャンブレー、フロントはやはり6釦

ドレスシャツの中で、主にイタリア系のブランドが用いるホリゾンタルカラーだが、それをカジュアルも想定されるパターンと生地に持ち込んだタイプはなかなかない。少なくとも私は、カジュアルなサイズ感でポケット付きのホリゾンタルカラーのシャツは、サンリミット以外で見たことがない。

ステッチは襟端から3mmで、前立てもカフも裾も統一。SH01と同じ清潔感がある
やや羽根は短めであり、それもカジュアル寄りである事の証だろう

イタリア系のブランドは、オックスフォードを用いたり、柄をカジュアルに落としたりする事がほとんど。FinamoreGiannettoなんかは得意としているし、Vincenzuo di ruggieroやmoscaのホリゾンタルカラーシャツは、花柄や小紋のコーデュロイで作られていた。

また少し前まではカッタウェイが全盛だったこともあり、イタリア系の夏のカジュアルシャツは柄とカッタウェイで解放感に溢れていた。

襟羽根は7cm、後ろ台襟は3cmでイタリアっぽさは無し
きっちりした水平に見える

そういったイタリアのシャツとは襟高含めて大分印象が違う。ステッチの幅もそうだし、ホリゾンタルでとどめている事もそう。

サンリミットのデザイナー、門田さんはホリゾンタルの襟型が好きらしい。個人的にはギャルソンシャツのパタンナーをやっていた人が、典型的なイタリアスタイルを好んでいるとは思えない。ので、ホリゾンタルカラーに独特のこだわりがあると踏んでいる。

SHシリーズは襟型によりプリーツの取り方が異なる
カフも真面目

ギャルソンシャツは数多の種類のシャツを今までリリースしているが、ホリゾンタルカラーも作った事があったのだろうか?オムではリリースされている可能性があるが、ギャルソンシャツラインで出るとはあまり思えない。サンリミットのシャツは(もともと作ってた人だから当たり前だが)ギャルソンシャツのディティールと似通っている部分が非常に多い。ステッチ幅や前釦、二枚袖に背中のプリーツ等。なぜかと言えばシャツとして完成度が高いからだろう。その完成された形に、個人的な好みでホリゾンタルを載せた、というエピソードが、門田さんの色が少し見える。

二枚袖仕様
もはや見てもあまり意味がない所

ホリゾンタルは夏のノータイスタイルに向いた襟型とされる。もちろんタイドアップも成立するのだが、ドレスシャツのノータイスタイルとしては、レギュラーやセミワイドに比べ、サマになる。ボタンダウンと同じレベル。そういった意味ではカジュアルシャツにあって然るべき襟型だ。

また、ジャケットに合わせるならボタンダウンより優れていると思っている。ボタンダウンは襟先がジャケット下に入らない事や、生地にオックスフォードが多い事、釦が増える事でVゾーン内が渋滞する印象を受ける事からノータイでジャケットに合わせるものではないと個人的に思っている。まあ、このSH04はジャケットに合わせるものでもないと思うので関係ない話だが。

ホリゾンタルカラーはボートネックに洗い晒しで合わせても相性が良く、私もこのシャツをよく合わせている。あとはリネンカーディガンね、特にシャンブレーだと涼し気でいい。

ギャザーはない。あったら私は100%disっていただろう、よかった
ステッチは白なので清涼感がある。釦は根巻無し…これはもうdisり済

ギャルソンシャツフォーエバーはもう4万を超えている。柄によっては5万近い。対して2万そこそこでこれが買えるのなら、まずはコレというノリで買えるのが良いのでは。どうしても釦が根巻されてないとやだ!とかいう人は希少でしょうし。イタリアシャツしか着た事無い人がいたらどうぞ。ただこれを入口にして最終的にギャルソンシャツフォーエバー10枚とか揃える事になる程度の覚悟はしてほしい。大丈夫、その投資は損じゃないよ。孫だよ。

こうして見るとギャルソンシャツにはたしかに無さそう