ボレッリのシャツを取り上げようと思っていたのだけれど、この間ついに最後のボレッリが息絶えてしまった。

そこでずっと使っていて異様に長生きのシャツと言えば…。2012年から使っているこれだ。以前、このブログでも書いているマリオ・ムスカリエッロ。の、ロンドンストライプのカプリシャツのフェイク仕様、Savoyである。

7年前に購入してまだ生きているのだ。なぜか?夏の休日にしか着ないからだ。結構なシミを付けた事もあるのだが、洗い落として使い続けている。袖や襟にスレもない。未だに毎年SSに活躍している。働き方改革が根付くまであと何年かかるだろうか。

このシャツ、手持ちの中ではかなり気に入っている。

まずはこの襟型。台襟の部分と襟羽根の部分の芯の硬さが違う。台襟はしっかり立ち上がるよう硬めで、羽根襟はご覧のようにふにゃりと柔らかい。台襟も柔らかいフラシだと、ジャケットやニットを着る時に配慮しなければつぶれてしまう。ところがこれは綺麗な立ち姿を保ってくれる。はっきり芯の硬さが違うので、この仕様は発想できても容易に挑戦できるものではないと思う。

次にこの、フェイクのカプリシャツ仕様であることだ。

私がシャツを好きな理由の一つに「被らなくても着られる」というものがある。腕をあげるのが億劫だし、髪とか顔に服が触れるのも嫌だし、腕を広げて服を着るのが気持ちいいという個人的な理由。なのでカプリシャツはチリエッロのものとかも持っていたが結局手放してしまう。良いんだけど、rdv o globeとか着る手前で意気消沈する。

ちなみに比翼のシャツも嫌いなのだが、このシャツに限ってはこのカプリを実現するためのものとして有効であり、許せる。例外処理。

シャルベ的なスクエア+サイドスリット。スクエアはアウトタックでもインタックでも有用である。このシャツは丁度いい丈なので、アウトでもインでも満足できる丈である。既製品でここまで自分の感覚にフィットするとは思わなかったので、これには気分を良くした。

袖付け、ストライプで星留めとかやってほしくないのでこのぐらいがいい気がしている。

ていうかね、この生地が一番好きで。120番手~くらいの黒のロンドンストライプなんだけど、濃紺じゃなくて黒、しかも黒すぎないっていうのが良い塩梅(洗いでかすれてきたのかもしんないけど・・・)。気持ちいい上にロンドンストライプ好きにはたまらない。同じような生地(トマスメイソンよりも良い番手っぽいやつ)探してるけど意外と見つからないんだよね。

いい生地ってのはすぐ無くなるものですね。