TABARA Coatmaker チノトラウザー

一着の服を選ぶってことは1つの生活を選ぶってことだぞ

山本耀司
なんてことはないチノパン

先に書いたTABARA Coatmakerのチノパン。

これは彼が意志を持って展開しているモデルらしい。この生地(カラーが様々にある)を使い、ベルトレス、ワンタックで、特殊なボタン留機構の持ち出し仕様、ループ付のボタン留のバックポケット。ただ工程は仮縫い付きのまるっきりビスポークなのでデフォルト仕様、といった所か。

モデルはインプリーツだったがアウトに指定した。
フィレンツェスタイルと同じような丸みあるウエスマン終端。
彼の独自仕様。コーデュロイによりシャツが出るのを防ぐ滑り止め的な意味合いを持たせている。白雪のようなこの生地は肌当たりも良い。

所々のディティールが独特でありながら、全体としては静かな雰囲気である。「自然に見える事がよい」とは彼の方針。要素を削ぎすぎず、かといって足し過ぎず。直立の快適さも、動きの中での快適さも同時に取り入れる。常にバランスというものを考え、ストレスを遠ざけ、自然に服がその人に取り込まれることを目指しているのだろう。書いていていつかのステファンシュナイダーを思い出した。

よくある持ち出しを留める釦が二段階になっている仕様だが、ボタンホールが長めである。その理由は…
通常の状態のこれを
こうもできるから

生地はとあるコットンなのだが、どうも例のパンタロナイオが自分用として作って履いていたものと同じでは?という話に。その時は「確かに質感が似てるな…。」という程度で終わった。生地がビッグネームでないだけに、ふーん、位にしか思っていなかったんだが、出来上がって履いてみて驚く、今までにない快適さ。

ポケットのストラップの由来はなんとJ.M.Westonのゴルフ。あの丸紐である。
軽めのコットンなのだが、シングルでも何のてらいもなく素直に落ちる印象

今まで私はパンツのビスポークもオーダーも様々に経験してきた。おそらくシャツの次に多い。幡ヶ谷洋服店、尾作さん、五十嵐さん、aldex等々。もちろんビスポークスーツでのパンツやパターンオーダーも経験してきた。今までパンツではトップ3に入るレベルで快適さを感じる。

ただ、この生地の快適さに由来する所もあるのではないか、と思っている。ので別生地で同モデルを作成し確かめている所。こういう確かめたくなっちゃう癖、本当に良くない。

作り手本人が持ってる黒で作ったモデルの擦り切れ具合からするに、スカスカな生地ってわけでもなさそう

この形。またこれがビスポークジャケットと同様に、絶妙な雰囲気。イタリアの各ブランドのトラウザー感が無く、さらに言うと大人の休日着、みたいな気取った感じも無い。イギリスのワークトラウザーが近いかなと思ったが、それほど野暮ったさが無く、やや調子が軽い。まさに”生活の服”といった感じである。作り手は「軽登山とか良いと思います」と言っており、それはできないやろと思っていたが、履いてみてしばらくして「これはイケるな」と確信した。本当に何にでも合う。

つくづく面白いテーラーである。

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2件のコメント

  1. >ファンさま
    おそらく育ちが悪かったんでしょうね。

  2. ファン

    なんでそんなにひねくれてるんですか?

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