マルタン・マルジェラのシャツを後輩に譲った。
マルジェラは細かい所で遊んでいる、というかこだわっている仕様が多い。
普通の人が見てもきっと気付かない。
マルジェラのファンの人は服好きが多く、
7年前くらいは古着にハマってる人がマルジェラの魅力に取り込まれる事は、自分の周りではとみに多かったように思う。

このシャツも、ヨークに縫い目がない。インディヴィジュアライズドシャツで紹介した仕様。
カフも弧を描いていたりする。
いいシャツだ。
着なかったけど。
さて、あなたは「四つ糸」を外すだろうか、外さないだろうか。
マルジェラの四つ糸は、とても神経質な問題である。

「マルジェラというブランドの真意を推し測りタグを外す」人、「マルジェラというブランドをアピールしてしまうのが恥ずかしいから外す」人、「デザインとしてナンセンスだと思って外す」人などがいる。
一方で外さない人には「リセールバリューを保持したい」人や、「マルジェラというブランドを背中でアピールしたい」という人、「四つ糸はデザインの1部だと思うので外さない」人などがいる。今回のシャツはそもそも試着しかしなかったのでタグはノータッチ。
「四つ糸に無頓着だから外すor外さないという選択肢すらない」という人はいるだろうか。
よく見える太い糸で縫い付けられた目立つ箇所にあるのに、それに気付かないということは無いだろう。
気付いた時には無意識下で上記のいずれかの判断を行うのではないだろうか。
ちなみに私の場合、トップスは取る、トップス以外は取らないというルールを設けている。
トップスの背中は単純に目立つので、恥ずかしいと思ってしまう。
そもそもこの恥ずかしいという気持ちがどこから来るのか。
昔はマルジェラに対しそんな気持ちは無かったのに。