「だから、あの店に座ってコーヒーなんかを飲んでると、次から次に女性客が入ってくるでしょ?それがぜんぶ私に見えるの。一種の自己嫌悪ね」

吉田修一”パーク・ライフ”

公園はいい。公園はいいぞ。雇用されている人間を目にすることがない。何かに追い立てられることなく自然に身を任せて活動する人間が多い。そういう事はあるよね。仕事や家事や育児など、「義務や必要性故に何かをしている」人を見たくない。そういう人が少ないところにいきたい。そういう事が最近よくある。そういう場で、全く何も考えず、ただ音楽を聴いてのんびりすると「いや~、これだな」と思う。どれだよ。落ち着くというか、リラックスできるというか、自分の身体が動いていることと、自分の脳が何かを考えていることを静かに見る事ができる。大抵公共の場にいる方々は後期高齢者ばかりだが、彼らはずっと働いて、金を稼いで、その金で食って食わせて、子を産み育ててきて、その数十年の果てに、ようやくこの静かな境地を味わっているのだろうか。

一昔前の町のヤンキーが着てた柄

さて、「ポケットがあるから」とか「今日は誰と会うから」という理由で、何かしらのしなければならない事から解放されて服を選ぶと、自然と「気持ちの良い服」を選ぶ。そういった服を自発的に…いや違う、スポンティニアスに?選んだ時、それが上質で、デザイン的にも満足できるものであると、良い気分になれる。

ピンクってやっぱあんま着ないよね

バナナタイム。カナダ人と日本人がアムスで立ち上げたリラックスウェアのブランド。二人の女性は旅行の経験から快適でコンパクトなトラベルウェアの必要性に気付き、これらの心地よいウェアを創り出した。

素材・柄以外はシンプルなつくり
中厚のシルクツイルで、しっかりと落ち感もある
裏。中厚なので触り心地は申し分ない

ウォッシャブルシルクを使っている事が最大の特徴で、「洗濯機で洗えよ」と言わんばかりに購入すると洗濯ネットが付いてくる。黒いしジッパーの質が気にくわないので私は即捨てたが、あれは洗濯ネットではなくトラベルケースとして使うべきだったと今は後悔している。

ただの綿や麻製品と同様に、容赦なく一般着として洗剤もなにも気にせずガンガン洗える。シルクなので日光で退色するんだろうなと思い、ちょっと退色させてみるか・・・と意図的にパンツを外干ししたこともあった。

4年にわたり履きまくって裾が擦り切れそうなイージーパンツ.

のだが、光沢が少し落ちたか?位で、大きく何かが変わることは無かった。シルクの質の話なのか、それともこれは何か加工がされていて、耐久性が高いのだろうか。正直シャツよりパンツの方が(その耐久性からも)オススメなので、ベイクルーズでよくセールやってるから買ってみるといい。

1cmに5針。
カフはアジャスタブルボタン。
センタープリーツ。

バナナタイム、というブランド名は社会学者の実験の論文が由来らしい。仕事の合間に、オフィスに隠されたバナナを探すゲームをする事で、最終的に効率性が高まったとか。詳細は知らないが、日々のしなければならない事から全くかけ離れた所で何かをする、というのは気分転換としては最適。さあ、そういうわけで今から公園に行こう。あ。行かなきゃ。子供と。遊ぶために行かなきゃ…義務…今日の…すべきこと…

暗がりの方が質感が映える気がする