風をあつめて


京都のとある居酒屋に行った時、中央に日本酒の銘柄のような文字が入った丸いうちわが、鴨居に沿うように並んでいた。

店めぐりをする際、あちらこちらの店で良くみかけたので、引っかかってはいたのだが、特にその店にはずらりと並んでおり、趣深かった。

店員に、「あれはどういった風習のものなのですか」と訪ねたところ、「舞妓さんがお配りする京丸うちわです」と答えがある。

その時酒席を共にしていた元同郷の美容師の友人は、「要はキャバクラの名刺と同じようなものだ」と説明してくれた。

程なくして、京うちわの阿以波へ伺った際、夏のご挨拶の贈り物だということを知った。恐らく、古くから呉服屋が扇子を配るのと同じような、得意先への挨拶の風習なのだろう。

 

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日本には三大うちわ産地がある、ということを聞いた。

京都の京うちわ、香川の丸亀うちわ、千葉の房州うちわ。

これは千葉の房州うちわである。

これはそのうち一人の方に作ってもらったもの。

 

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サイン波が繰り返し送られてくるような、柔らかく、ゆるやかなでエッジが無い風。

和紙が空気の中を泳ぐ音も気持ち良い。

長い柄と、全身の竹のしなやかさを使った風は扇子では得られないものがある。

 

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日頃拙いものを御覧いただきありがとうございます。

秋冷の候、皆様いかがお過ごしでしょう。

風をあつめて、蒼空を駆け抜けられることを祈っています。

時節柄、ご自愛専一にご精励ください。

 


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1 コメント

  1. このような立派な団扇を使って珈琲豆を焙煎できれば面白いのではないかと思います。

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