アレクサンダー・マックイーン。

アバンギャルドでロマンティックなコレクションを英国サヴィルロー仕込みの技術に乗せた労働者階級出身のアンファンテリブル。

マックイーンといえばメジロだろ、というくらい私は彼のことを何も知らない。

 

というのも、彼のデザインがあまり好きになれなかったというのが大きい。

ヴィヴィアンと似たゴシック、パンクス的な何かを感じ取っていたからだろうか。

何かとメディアを賑わせるキャラ、というイメージしか残っておらず、逝ってしまった時はさすがに驚いたが、未だにメンズのコレクションを見た記憶が薄い。

 

このシャツは珍しく主張が控えめだった。

遠目には。

やたらボタンが多い上に襟が大きいけど、まあシンプルだな・・・と最初は思った。

 

フロントはボタンが9個。

大きい襟も相まって、いつもの「エグさのオーバードーズ感」を感じ、マックイーンらしいなと思った。

が、まあそれにしては目立たないし、襟型は嫌いではない。

 

襟先のカーブはちょっと気になるので、ありかなと思い近づいてよく見てみると・・・

肩がラグランではないか。

背中はどうなっているんだろう、と見てみると。

 

ラグランどころではなかった・・・!

なんだこれはトレンチコートのハイブリッドか?イルミナティ的なコノテーションか?

さすがチャールズ皇太子のジャケットライニングに下衆なスラングを縫い込むだけのスピリットを持つ男。

 

の割に脇線はロックで一気縫い。

なんなのジバンシィのアトリエでもこんなことやってたの。

これでバイハンツマンとかになるとどうなるのだろう。

ファンはやっぱり一枚くらい持ってるんだろうか。

マックイーンネームでハンツマンが仕立てた長い丈のカシミヤのオーバーコートとか、見てみたいものである。

マックイーンについてもっと知りたい、あるいは彼への愛情表現を存分に堪能したい方は夢子さんのブログ(what’s like to be a PUNK. – Alexander McQueenとUNDERCOVERの方法論)をお読みください。