1964年にナポリでアントニオさんが創業。Kitonの関係者。
その息子兄弟は、モデルをやってるラファエルと、ファブリックを極めてたマリオ。
土管工でもなく、桃姫を助けに行く必要もなかったようで、
1990年、親父のブランドを若返らせようと兄弟は継いだ稼業をモダンにアレンジ。
そして今をときめくムーディーなシャツになり、
2000年後半に入り細見需要が増す昨今、それにあわせ黒タグのラインを作ったりして、今。
ということでBARBAのシャツのご紹介。
イタリアの高級シャツと言えば、ボレッリやフライと並んで出てくるのがバルバ。
前者2つと違って、細めで、なんというか・・・都会的?
ドレス感はそんなに強くないのに、シャキっとしてて、フィナモレほどリラックス感がない。
遊びのあるドレスというか。微妙な立ち位置。
最近はカジュアルラインの「DANDY LIFE」がよく見る。そっちで知っている人の方が多いのかも。
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このタグが黒いものはスリムフィットラインで、
大変細い。
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元モデルが手がけるだけあって、ボディコンシャスなシェイプをきつめに取っている。
だからボレッリやフライと比べ、「パツパツで着られない」「きつすぎる」という声も多かった。
個人的にはそんなに大胸筋が無いので問題無し。
いや、その分イタリアシャツが似合わないというそもそもの欠点があるのだが…。
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ボタンは厚めで大きく、鳥足。
運針も8ステッチを上回っており細かい。
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カラーも綺麗。
ストライプ3本目あたりがややくびれてるのがわかるだろうか。
ジャケットに入り込むこの曲線がイイのだ。
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ムーシェ(ガゼット)も高級感ある雰囲気。
やや短い丈なので、タックアウトも可と想定しているんだろう。
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さて、袖付は手縫いなのだが、
手縫いの弊害はこれである。
左部分を見てわかると思うが、ややほつれてきているのである。
洗濯機効果である。
「高級なシャツは手洗いで」とシャツ売場の人はよく言う。
少なくとも伊勢丹新宿、大手セレクト3社でそう言われた経験がある。
それは多分手縫いのもろさを気遣っての事なのだろう。
手縫いにすると柔らかさが出る。
特に可動部分ではその柔らかさが着心地の良さを左右する重要な要素となる。
その柔らかさはナポリシャツの特徴である。
だが、どうしても「柔らかさ」と「耐久性」はトレードオフの関係になる。
従って、ナポリの手縫いシャツはデリケートなものが多く、
手洗いや修理という手間を必要とするのだ。
昔は手洗いしていたものだが、もうやめてしまった。
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これは肩の部分。
いせ込んである。
このおかげでキュッと乗るのである。
(ただ残念ながら自分の肩の厚みが足りない…)
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ダーツも多め。
細く、肉体を強調するシャツであり、それでいてモダンな印象がある。
オリアンのワンランク上のシャツだと思っている。
その細さゆえに結構気に入って3着位持っているのだが、
いかんせん着心地ではボレッリや他に劣る気がする。
まあ、気がするだけなので具体的に言えないのだが。