マッシモアルバっていうと、以前baguttaの別ラインの最高にかっこいいシャツで紹介はしたといえばした気がするのだが、やっぱり失敗して昨年夏に表参道の直営店を閉めたので、セールで投げ売りされていたこの謎のシャツを紹介しておこう。

 

bagutta flowerと同様の謎のワンポイントがフロントにあるシャツ。

この位置にワンポイントを施すのはジャケットを着たら隠れる位置だからだろうか。アメリカでは見ないのに欧州のブランドではしばしば見かける。

ワンポイントはさておき。

 

普通のショートポイントカラーの白シャツではある。

得意の洗いがかかった表情で、生地はごく薄い。バックヨークはウエスタンの形状。

 

普通の釦で、特にハンド的なディティールはなく、前立てはプラケットで細め。袖付けもセットインではなく、ふつうのカジュアルシャツである。イタリア価格で3万円弱のものではあるが。

 

ここで気になったのはこのディティール。これはシャツを裏返しにしてハンギングしている。フロントの生地が一部二重になっているのである。サルバトーレピッコロでフロントの乳首透けを防ぐために第四ボタンあたりまで生地を二重にする処理をしているものを見たことがあるが、これはV字状。フロント腕部分の半分位の位置から剣状突起へ向かって二重になっている。乳首は隠せない。

 

特に透けが激しいわけでもないので、デザイン的な要素でもない(これがデザインだとしたら酷いセンスだが)と思われる。先ほどワンポイントの位置は「ジャケットで隠れるから」、と書いたが、これもジャケットの着用を想定しているのではないだろうか。ジャケット着用時に見える部分を二重生地で覆うことにより、胸毛の透け、あるいは汗が出て透ける位置をガードできる。

何にせよ初めて見るタイプで、謎のディティールだ。

 

パッカリングやカラーの丸さ含め、ここが得意とするウォッシュドカシミヤニットのインナーなんかには抜群なんだろうな、とか思った。ただそういうカシミヤニットを着る機会は無く、魚釣りの時に何度か雑に扱って海水を浴びてイイ感じにくたびれている。カシミヤが好きなサーファーとかいないかな…と思ってたら、あ、このシャツはあいつにあげればいいのか、と今思いついた。よし。