シャツNo.158 MINAMI SHIRTS 南シャツのリネンシャツ

南シャツ第二弾、リネンシャツである。
 
 
生地はカンクリーニの白。
リネンシャツで納得がいくものが無かったため、タイドアップもノータイも可とし、タックイン/アウト可の気楽なリネンシャツを作りたかった。
なので着丈は短めに設定してある。
 
 
 
襟型は「隠しボタンダウン」。
イメージとしては襟先がきっちり身頃につくイメージだったのだが、指定を誤り失敗した。後で自分で縫い付けることにする。
 
 
 
こういうギャザーが映えるのはリネンのいいところだと思っている。
それにしても、ビスポークシャツメーカーなので本当に痒い所に手が届く。
「基本的に受けられない注文はないです」とまで言い切るので、先日連れて行った友人などは無茶な注文をガンガンかけていた。
 
 
設備を自宅に持って自宅で縫っているというのは強い。
江戸川台のアトリエを一部撮影させてもらった。
 
 
 
縫い子さんも何人か常駐しており、狭いことも相俟って(実際見たことは無いのだが)ナポリのテーラーのような雰囲気を醸し出していた。
 
近々、新たに日本橋に出店予定だとか。
日本の若手カミチェリアとしてうまくいってほしい。
 
 
 
ところで、「シャツの透け問題」について話したい。
 
私は白いリネンシャツは苦手だった。理由は「透け」である。
一枚で着るにしろ、インナーに何かを着るにしろ、透けて見えるのが気にくわない。特にネックライン。中高年サラリーマン達がこぞって罹患しているツキノワグマシンドロームにはお世話になりたくない。
かといってインナーを着ないことでそれを解消できるかと言えば、そんなことはなく立ちはだかる乳首透け問題。それもまた恥ずかしい。
自意識の問題かと思えばそうでもなく、実際どちらも「キモい」「ダサい」と思う人はいる。最終的には禅問答の末に「その自意識自体がキモいから何も対策をせず無為自然」と解脱できれば良いのだがそういう形で結果的に目の毒を増やすのは「美味しそうに思われるようにクチャラーやってるんですよ自分」という事をのたまう失礼な連中と同等と考えられても仕方ない。
 
対策は二つ。
一つはステルスカラーのインナーを着る事。GUNZEのSEEKが走りだったと思うが、ラクダ色のインナーであればシャツから透けることが無い。最近ではユニクロも作り始めたのでこれを着ればなんてことはない。色々と試行錯誤したが、サンドベージュとスモーキーパープルが透けない。
ただ、「インナー一枚になった所を人に見せられない」という条件が付きまとう。ラクダ色のカットソー一枚にホーズソックス・ボクサーブリーフの出で立ちなど百年の恋も絶対零度である。
 
今一つの対策。それが私が白無地のオーダーシャツに可能な限り施す「前身頃生地のダブルフェイス」である。今回のリネンシャツももちろんこの仕様。
 
インナーを着ずとも透けず、フロントの汗染みも浮かない。
唯一のデメリットはこの仕様が一般的ではないので、ほとんどオーダーになってしまうこと。しかもその場合は生地の使用量が一気に増えるのでプラス料金となることがほとんど。高価なのである。
 
ただ、私はそれでいいのだ。よくわからないインナーがクローゼットに増えることや、着る手間など、それらを考えるとこちらの方が良いと思っている。
それに、これは鎌倉シャツの作り手とも合意したことだが、良い生地のシャツは素肌に着るべきだ。せっかく良い生地を使い、裏にも響かないように巻き縫いで仕上げたとしてもインナーを着るのであれば意味がない。
 
そういうわけでインナーはあまり着ない派の人間である。
結果としてインナーを着ないのは同じだけれど、「欧米ではそれが標準だから」という理由でシャツイチでいる人とは違うとだけ言っておきたい。
 

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5件のコメント

  1. ねむねむ様
    ありがとうございます。
    シャツ以外の記事でそう思っていただけると私も嬉しいです。

  2. ねむねむ

    はじめまして
    最近、貴サイトの存在を知りまして、少しずつ読ませていただいているところです。
    文章が面白いですし、写真も美しいですね。飽きずに読めます。
    そして、シャツ以外に関する記事も面白いです^^

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